ヤマハが電動アシスト車いす「JWスウィング」発売。電動アシスト自転車の技術を応用

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電動アシスト自転車「PAS」にて自転車界に革命を起こしたヤマハが、車いすを開発したら!? それがこのたび発売された、同社初の電動アシスト車いす「JWスウィング」だ。発売は6月10日の予定で、メーカー希望小売価格は363,000円から。

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このJWスウィングは「電動アシスト」という言葉の通り、搭載されたモーターが車いすの操舵を「アシスト」してくれるのが特徴だ。

車いすに乗っていると、普段は感じないような緩やかな坂道でさえ、思った以上に負荷を感じることがある。またいくら見た目平坦な道だといっても、力の弱い高齢者などは、半日も漕いでいれば腕がパンパンになってしまうことだろう。

そこで活躍するのが、こうした電動アシスト車いすだ。ハンドリム型のトルクセンサーにより、手動車いすと同じ感覚で発進・停止、数センチの微速移動、旋回がスムーズに正確に行えるほか、非接触センサー、高剛性ベアリング、制振ダンパーなどの組み合わせで、高い信頼性・耐久性を備えているという。

また、パソコン用アプリケーションソフトウェア「JW Smart Tune」で、車いすを操作する時の状況を測定し、個々の状況に応じた細かい調整が可能だとのこと。屋内外での切り替えも可能で、利用者の環境に対して、柔軟に対応できる仕組みが考えられている。

車いすの装備品は利用者の希望に応じて選択が行え、バッテリーに関してもニッケル水素とリチウムイオンから選択できる。ニッケル水素を選択した場合、充電時間が約2.5~3時間に対して連続走行距離が20kmほど。一方のリチウムイオン電池では、充電時間が4.5時間かかるが、連続走行距離はニッケル水素に比べて倍の40kmとなる。このあたりも、利用者の環境を考慮した選択が可能となっている。

電動ユニット部はワンタッチで着脱できるほか、本体の折りたたみも可能で、自動車への搭載も楽に行えるようだ。重量はバッテリーを外した状態で23.9kg。要介護者が女性でも持って運べない重さではないだろう。

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これからの高齢化社会に向けて、腕力の弱った高齢者が車いすを利用することも少なくない。そんな時、自立を支援するひとつの製品として、こうした電動アシスト車いすが活躍することを期待したい。

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