書籍口コミサイトのBooklapがiOSアプリをローンチ——電子書籍リーダーとの連携も標榜し、ユーザ獲得を加速

SHARE:

booklap-ios-app_screenshots

書籍口コミサイト Booklap を運営する PROSBEE は今日、モバイルからサービスへのアクセシビリティを向上させるため、iOS アプリをローンチした。今回のアプリローンチを機に、PROSBEE では、デスクトップよりもモバイル向けのインターフェイス開発を優先する方針に転換し、ユーザ獲得のスピードを加速させたいとしている。

モバイル・ファースト戦略と、電子書籍リーダーとの連携

iOS アプリの基本機能はデスクトップ版と同じだが、iOS アプリにのみ新設された機能がある。書籍のレコメンド機能だ。ユーザは自分の好きな書籍を5つ星で評価し、これらの好きな書籍が15冊以上登録されると、PROSBEE が独自に開発した「セレンディピティ・エンジン」が書籍のレコメンドを始める。本稿の執筆段階で筆者はまだこの機能を試していないが、おそらく15冊分の登録があれば、一人のユーザの嗜好をシステマティックに判断するには十分だろう。有機的な情報をもとにレコメンドがなされる点においては、Amazon のおすすめよりも確度が高いものになることが期待できる。

今回の iOS アプリで Booklap が特に狙いを定めているのが電子書籍の読者だ。今年2月に発表されたニールセンの調査によれば、スマートフォン・ユーザの実に55%が電子書籍を利用している、と答えている。この調査結果を反映するかのように、Booklap のユーザからは Booklap をスマートフォン・アプリで使いたいとの声が高かった。Booklap では今後、Kindle、Kobo、BUYMA Books など各種の電子書籍リーダーとの同期や連携も模索していきたいとしている。

資金調達と海外展開

PROSBEE のこれまでの資金調達を見てみると、昨年7月の2,000万円の調達を最後に、累積で2,300万円ほどだ。現在のチームメンバーは11人いて、彼らは全身全霊で iOS アプリのリリースに漕ぎ着けたわけだが、バーンレートを憶測すると、そろそろ次の資金調達を視野に入れるタイミングかもしれない。

Booklap は Amazon の API を利用して書籍情報を取得しており、各国語版の Amazon が存在する限り、Booklap の海外展開もやりやすい。iOS アプリのリリースで今後可能になるであろう電子書籍との連携も、この動きに有利に働くだろう。

同社では Android 版のアプリにも着手することになるだろうが、当面は iOS アプリの普及に全力を挙げ、6月末までに25万件のダウンロードを達成したいと意気込んでいる。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する