ハンドメイド商品のC2Cマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」を運営するクリーマは今日、KDDI とグローバルブレインが共同運営するスタートアップ・ファンド KDDI Open Innovation Fund から1億円を資金調達したと発表した。今回調達した資金を使って、同社では商品購入者や出品者に対するエクスペリエンス向上等を目的として、システム開発などに注力したいとしている。
アメリカでは Etsy、日本では Creatty、アジアでは Pinkoi など、ハンドメイドの C2C マーケットプレイスは脚光を浴びている分野だが、Creema のサービスローンチは2010年6月と最古参である。以来、地道にハンドメイド・クリエイターのコミュニティの醸成に注力し、出品者となるクリエイターの登録者数は1.8万人、出品作品数は50万作品を超えた。
時間をかけて Creema を成長させてきた背景について、クリーマの創業者でCEOの丸林耕太郎氏は、次のように説明してくれた。
このようなサイトは、いきなり登場したとしてはユーザに理解してもらえない。そう思って、地道にコミュニティを作ってきました。他のサイトとの大きな違いは、Creema を使うクリエイターの多くが、ここで作品を売って生計を立ててられているか、または、そうしたいと考えている人が多い点です。出品される作品も、趣味で片手間に作られたモノとは、完全にレベルが異なります。

ハンドメイド商品に対する認知度を高めるべく、年に一度「HandMade in Japan Fes」というイベントを東京ビッグサイトで開催し、新宿ルミネには旗艦店を出店している。その努力が功を奏し、現在の月間アクセス数は1,500万ページビュー、流通取引金額は毎年400%ずつ伸びているのだそうだ。扱っている商品の多くは、ハンドメイドであるため一点モノだが、それでも月に100万円以上も販売するクリエイターも存在する。
今回のKDDIからの資金調達を受けて、au スマートパスからの送客、auログイン、さらに、出品者と購入者の間のエスクロー決済時の支払に、auカンタン決済 や au WALLET カード決済が使えるように対応する計画だ。
創業時からこれまで、エンジェルやVCから得た資金を使ってコツコツとやってきた。売上は上がっているけれども、外部から資金を得たことで、いろいろ挑戦できることがあると思う。しかし、広告等を使ってPVを増やすことはしない。ものづくりのカルチャーにポテンシャルを感じており、ユーザによりよい体験を提供すべく、システム開発の強化などに注力したいと思う。
日本の C2C いうカテゴリで考えると、セカンドハンド流通のニーズがメルカリや Fril などのアプリで占められつつあるある中、ハンドメイドの分野には新たな価値創造の可能性を見出すことができる。日本のものづくりには海外からの評価も高いことから、長期的には国際的な市場ニーズも期待できるだろう。
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