中国系スタートアップのGiftpassが開発した新たなサービスによって、WeChatで簡単に友人にギフトを贈れるようになった。Giftpassはオンラインでギフトを贈る際に生じるお決まりの煩わしさや手間、障壁を全てなくしたいとしている。
Giftpassの共同設立者Vincent Mah氏(中国系カナダ人)は、友人の赤ちゃんの誕生祝いに何か贈り物をしようとしていた時にこのアイデアを思いついたという。中国ではオンラインクーポンやギフトといった選択肢はほとんどなく、また見つかったとしてもeメールが必要であった。
彼は友人のメールアドレスを知らなかったし、誰が実際にeメールで仲の良い友人と話すだろうか?他のギフトオプションはさらに面倒で、受け取り主が何かにサインアップしなければいけなかったり、多くのギフトが受け取られないということがあってもさほど不思議ではない。
GiftpassはWeChat内部の「サービスアカウント」として存在しており、WeChatを通じて製品を販売するXiaomiやPacific Coffeeのようなブランドと同様に、メッセージング内部のeコマース機能を使用している。ギフトを送るには、贈り主はGiftpassアカウント(つまりgiftpasscn)に従って、利用できるものを閲覧する。
ギフト贈り主はPayPalと99billを経由して支払いできる。WeChatのTenpayのような他の決済オプションは後で追加される予定だ。そしてWeChatユーザである受け取り主を選ぶとギフトはメッセージ内で贈られる仕組みになっている。
Giftpassを使ってWeChat内でギフトを贈るのが簡単な一方で、ギフトを受け取るのはもっと簡単だ。何か他のアプリが必要なわけでもなく、メールにあるリンクをクリックする必要も何かにサインアップする必要もない。受け取り主はWeChatでGiftpassの手順に従うこともない。WeChatのメッセージを選んで、「ギフトを開ける」ボタンをクリックするだけで良いのだ。すると、動画が付いたQRコードのギフトカードが現れる。添付されたページにそのお店のマップにつながる住所が表示される。
Mah氏は、サービスはまだ始まったばかりだと説明する。そのため、公開ベータ版で現在このサービスを使っている小売店はバー1軒だけだ。同スタートアップは上海拠点のChinacceleratorから昨日卒業したばかりだ。Demo Dayのピッチ後、彼はWeChatでベルギー産のフルーツビールを贈ってくれた。
私はすぐにそのバー(Kaiba)に行き、ギフトを受け取ってみた。バーには小売店向けのGiftpassアプリが入っているスマホがあり、彼が贈ってくれたギフトカードのQRコードをバーテンダーがスキャンしてくれた。
これで終わりだ。簡単だろう。(ところで彼が贈ってくれたビールは美味しかった。)
Giftpassは半年で1600のお店に利用してもらうことを目指しており、その実現に向け50万米ドルの資金を調達したいとしている。Chinacceleratorで過ごした90日でビジネスを微調整した今、ギフトサービスビジネスを展開し、やる気を証明する時だろう。
Mah氏によると、同サービスはWeChatを凌ぐことを目指しているという。「私たちが大きくなり、より多くのリソースを持ったら、GiftpassはFacebookやWeibo、Twitter、LinkedInのような主要なソーシャルネットワークの仲間入りを果たしているでしょう」と語った。
【via Tech in Asia】 @TechinAsia
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