目が見えない人の「目」になれる「BeMyEyes」:コペンハーゲンのチームにインタビュー

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2015.1.22

BeMyEyes

BeMyEyes」は、スマホを使って、目が見えない人の「目」になってあげられるアプリ。コペンハーゲンのチームが開発したアプリで、最近いろいろなところで目にする。本当に素敵なアプリだと思ったので、開発チームに連絡をとってみたところ即効で返事をくれました。インタビューに答えてくれたのは、立ち上げメンバーの1人であるLine Dybdahlさん。

「目が見えない人は、普段どんな毎日を送っているんだろう?」というセリフで始まる「BeMyEyes」の紹介動画。電車に乗って仕事に行ったり、楽器を弾いたり。それは、目が見える人と何ら変わらない生活。でも、些細でシンプルなことこそ、意外と難しかったりする。

閲覧しようとしているウェブサイトに何て書いてあるの?冷蔵庫に入っているミルクの賞味期限は切れてない?

そんな時に、BeMyEyesは、目が見える人と目が見えない人をライブ動画でつなげてくれる。目が見えない人からヘルプのリクエストがくると、それが対応言語に応じてヘルパーに通知される仕組みで、アプリをダウンロードすれば誰でもヘルパーになることができます。

ここからは、インタビューの内容をお届けします。

ー「BeMyEyes」のアイディアはどのようにして思いついたの?

アイディアは、もともとHans Jørgen Wiberg氏が思いついたものです。デンマークの職人さんで、ご本人が視覚障害を持っています。彼は、Danish Association for the Blind(デンマークの視覚障害者協会)でも非常にアクティブに活動しています。自分の視力が徐々に落ちており、いつか全く目が見えなくなることも考え、より自立して生活したいと考えるようになりました。そんな時に、iPhoneのFaceTimeの機能を役立てられるのではと考えたことが始まりです。

このアイディアを、デンマークでコペンハーゲンに次いで大きい都市 オーフスで開催されたStartup Weekendで提案しました。実は、その時のチーム、Hans JørgenとThelleと私は、それぞれ何かしらの視覚障害を持っていたんです。結局、Startup WeekendでBeMyEyesは、“Most innovative idea” (最も革新的なアイディア)を受賞しました。その後、BeMyEyesを世に出すために開発や資金調達などに動き始めました。

ーBeMyEyesの立ち上げにおいて、どんな課題がありましたか?

プロジェクトをきちんと立ち上げるために、ほぼ1年を費やしてフロントとバックエンドのデベロッパーを採用するに十分なだけの資金を集めてまわりました。すごく大きなチャレンジでした。というのも、BeMyEyesは事業としてのリターンより、社会的価値を提供する側面が大きいからです。でも、包み隠さずオープンであることを心がけ、初期段階で見込み支援者との深いコミュニティをつくることができたため、認知が広がり資金も調達することができました。

ープロダクト開発において一番の難点はどこでしたか?

アイディア自体はすごくシンプルに見えるかもしれませんが、その裏にあるテクノロジーは斬新で、実現するにはかなりの努力と工夫が必要でした。そのため、BeMyEyesのリリースまでに2年の開発期間を要しました。また、世界中の素晴らしいヘルパーと目が見えないユーザーによって使われているため、常にクリアすべき技術的課題が新しく生まれ、それに1つずつ対応しています。

ーユーザーエクスペリエンスとデザインで大切にしていることを教えてください。

UXに関しては、視覚障害者に対するアクセシビリティに何より大切にしています。そのため、アプリを提供するプラットフォームとしてもiOSを選びました。視覚障害者には、素晴らしいアクセシビリティ機能を理由にiPhoneを使用している人が多いからです。

ーBeMyEyesはグローバルに展開しているのですか?また近い将来に予定していることはありますか?

BeMyEyesは世界中で提供していて、世界中のユーザーにダウンロードされています。アプリの次のアップデートでは、新たに30言語が追加されます。

ー現在のチームについて教えてください。どんなチームですか?

本当に沢山の方がBeMyEyesの開発に貢献してくれたおかげで、今のアプリが存在しています。そのほとんどがボランティアです。皆さんが、支援を必要とする人々の日常生活を支え、彼らの自立を後押しするアプリを作ることに情熱を注いでくれています。

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公式サイトによると、現時点で登録している目に見える人は約8万人。目が見えない人の数は6,000人。登録言語が様々なのであくまで目安だけれど、目が見えない人1人に対して約13人のヘルパーが登録していることになります。「僕の目になってくれる?」で締めくくられるBeMyEyesの紹介動画は、観ているだけでなんだか優しい気持ちにさせてくれます。あなたも誰かの目になってみませんか。

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