IoT専門インキュベータ「HAXLR8R(ハクセラレータ)」が占う、2015年世界のハードウェア・トレンド

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HAXLR8R(ハクセラレータ)は、中国・深圳(シェンツェン)に拠点を置くハードウェア専門のスタートアップ・インキュベータだ。昨年4月に筆者が HAXLR8R を訪問したときのレポートがあるので、詳細については、そちらを参考にしてほしい。

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さて、HAXLR8R でパートナーを務める Cyril Ebersweiler と Benjamin Joffe は昨年、TechCrunch 上で数回にわたりハードウェア・スタートアップ・シーンについての連載をしていた。その連載をもとに、2015年のハードウェア・トレンドを占う、192ページにもわたるリサーチ・ペーパーをもらったので、この貴重で洞察に満ちた資料を読者と共有したい。題して「2015年のハードウェア・トレンド」だ。

詳細については、ペーパーの中身(最下に掲載)を見てもらうとして、要旨をまとめると次の通りだ。

  • ハードウェア分野の投資やイグジットは増加傾向。2014年には数百社におよぶスタートアップが資金調達し、Oculus、Beats、Nest などが、さらなる躍進に向けて数十億ドルのイグジットに成功した。言うまでもなく、クラウドファンディングは新製品をローンチする手段として認知されるようになった。
  • 数百におよぶハッカースペース、メーカーフェア、インキュベータの誕生により、ハードウェア・エコシステムの成長は著しい。
  • ウエアラブルや(情報を捕捉する)トラッカーの市場が活況を呈している。より目的の特化したトラッカーや新しいセンサーが、パフォーマンス、健康、人間の機能拡張の分野で新しく生まれている。
  • 3Dプリンティングは一般的なものになりつつあり、新技術や新素材へとその範囲を広げつつある。
  • カギ、ドアベル、セキュリティカメラから照明や温度計まで、スマートデバイスは家庭を侵食しつつある。
  • AR(拡張現実)や VR(仮想現実)は一般消費者に手の届くところまできており、2015年のクリスマスには爆発的なヒットになるかもしれない。
  • ドローンやロボットも普及しつつある。ロボットはワークショップ、ラボ、家庭などに導入され、掃除、料理、給仕、庭の手入れ、倉庫整理、鉱物の運搬、卓球の対戦相手などに使われている。
  • 新しいプラットフォーム、コンポーネント、3Dプリンティングの登場により、プロトタイピングはより安価で簡単で速いものになった。電子基板を印刷したり、オブジェクトを携帯電話網に接続したりするのでさえそうだ。
  • 製造過程は依然として難しいまま。サプライ・チェーンに簡単にアクセスできれば、試作から量産に移行する上での問題の多くが解決できる。中国・深圳は、ハードウェア・スタートアップにとって、試作〜量産の間のギャップを橋渡ししてくれる場所となった。
  • 中国や深圳は、より多くのグローバル・スタートアップに開放されていく。HAX はその現象の一部だ。
  • ただのシンプルのプロダクトは、Xiaomization(仮訳で「〝小米〟化現象」)、つまり、Xiaomi(小米)が築いた新たなディストリビューション・モデルに駆逐されるリスクを負ってしまう。すでに、Samsung、GoPro、Dropcam など、さまざまなメーカーやプロダクトが、Xiaomi と競合関係にある。

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