タスク管理アプリ「Any.do」が、本日そのiPadアプリをリリースしました。Any.doは、2013年5月にサンフランシスコ在住で連続起業家の小林清剛さんが取材してくれたスタートアップ。イスラエルのテルアビブを拠点とする同社のファウンダーでCEOのOmer さんにお話を伺いました。
1,500万人が愛用、中国ではNo.1タスク管理アプリ

前回の取材時点のユーザー数は、iOSとAndroidを合わせて500万人以上でした。2年強が過ぎた今、その数は3倍の1,500万人に。中でも、アメリカと中国にユーザーが多く、中国ではタスク管理アプリとして1位の座を獲得しているとか。中国のローカルな競合アプリの2倍、またAny.doにとってグローバルな競合であるWunderlistの8倍のユーザーを獲得しています。
2015年1月にはデスクトップ版が登場。また4月には、コラボレーション機能が豊富なAny.do 3.0でフリーミアムモデルに踏み切りました。それ以前に主なターゲットだった個人ユーザーに加えて、企業やチームなどのグループ間でもタスクやドキュメント共有ができるように。家族、ビジネス、学校に至るまで様々なグループで使われています。
深いモバイルへの理解とシンプルさ
タスク管理アプリは、前述のWunderlistを始めとして多数存在します。Any.doの差別化要因は、主に3つあるとOmerさんは話します。まずは、モバイルを誰より理解していること。これは、ユーザーの使い方や利用シーンなどはもちろんのこと、iOSやAndroidなど各プラットフォームならではのモバイル機能を最大限に取り込んでいることがあります。
2つ目に、UIやデザインでシンプルであることを徹底していること。タスク管理アプリの中で、最もシンプルなアプリであると自負しています。多機能ながら、アプリを操作していてそれを感じさせない。これは、機能を階層に分けて提供することで実現しています。超シンプルに使うこともできれば、より深い階層に入って行くことで高度な使い方もできるように設計されています。
Any.doをまずAndroid版からリリースしたことも功を奏しました。当時は、iOSがかなり先行しており、Androidにはシンプルでイケているアプリがまだ少なかった。Any.doは、タスク管理アプリとしてAndroid上で1,000万ダウンロードを初めて突破しました。成長率が高く、伸びしろが大きいAndroidを最初に選んだことがユーザー獲得に繫がったと考えています
日本はというと、ユーザー数で見てもトップ10に入る国だそう。日本人は生産性を高めることへの関心が非常に高いと、Omerさんは観察します。実際、年間27ドル(または月額3ドル)のAny.do有料版へのコンバージョン率が最も高いのは日本のユーザーです。
1日の始まりと終わりに「振り返る」時間を設けること
最後に、Any.doを開発するOmerさんならではの生産性工場のためのコツについて聞いてみました。
「最大のコツは、ちょっと立ち止まって、その日1日を振り返る時間を持つことです。できれば、1日の始めと終わりにそれを行う。自分が何を目指していて、そのために明日は何をするべきなのか。振り返る時間を設けることで、ブレなくなります。私たちは、どうしても目の前のことに追われてしまうので」
やることが次々に降って来る中で、とにかくまずTO DOをリストにして書き出すことで精神的なプレッシャーが軽減されると言います。Any.doなら、そのリストをPCやスマホからいつでも確認することができる。リストに書き出す際のポイントは、リストをなるべく短くキープすること。
「今日やりたいことを、5つくらいだけに留めておくんです。Any.doのユーザーを見ていても、多くの人がToday(今日やること)の下に全てのTO DOを入れてしまう。そうすると、まずその量に圧倒されるし、1日の終わりにあれもこれもできなかった…と達成感を感じることができません。優先順位をしっかりつければ、その日にどうしてもやるべきことは5つ以内に収まるはずです」
一つのタスクが終わったら、Any.doの機能でそれをクロスアウトする。これが達成感をもたらし、生産性を高めて前進する鍵になります。多機能なはずなのにそれを感じさせず、シンプルにも高度にも使えるAny.do。皆さんも一度試してみてはいかがでしょう。
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