初心者がグロースハッカーの仕事を得るための3つのヒント

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Mattan Griffel氏はOne Monthの共同設立者兼CEOである。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
via Flickr by “Adam Selwood“. Licensed under CC BY-SA 2.0.

グロースに関わる職種は、スタートアップにおいて急成長している、最も給料の良いマーケティングの職種のひとつだ。グロースに特化した職種(グロースまたはマーケティング)の面接で問題になるのは、その役割にはさまざまなスキルが関わっているため、企業がグロースハッカーに求める経験をすぐに身につけることが難しいという点だ。

氷山を使って表現してみるとこんな感じだ。

iceberg

優秀なグロースハッカーはスイスアーミーナイフであり、特定の専門知識をいつでも展開できる。たとえば、有料広告の展開、ランディングページの最適化、製品開発などを状況に応じてこなすことができる。つまり、こうしたこと全てにおいて優秀でなければならない。そのためには多くの経験が求められる場合が多い。

それでは、経験を得る代わりにできることはなんだろうか。以下に3つ挙げてみた。

1. グロースハッキングの1つか2つの分野に特化する

もし、瞬時に何かすごく得意なものを身につけたいのなら、できる限り細かく焦点を絞っていくことが鍵だ。そうすることで、そのトピックに関する既存の情報をかなり早く消化して、多くの知識を得ることができる。

例を挙げてみよう。グロースハッキングの全ての局面に精通しようとするより、新規ユーザーのオンボーディング、紹介、継続など、特に重点的に取り組みたい分野を1つ選び、その分野について可能な限り全てのことを学んでみるのだ。

もしリーンマーケティングフレームワークに精通しているのなら、個々の分野はパズルのほんの小さなピースにすぎないことに気付くだろう。たとえば、ユーザオンボーディングは、誰かが「サインアップ」ボタンをクリックしてから実際にその製品を使用するまでの間に行うことを指す。

もちろん、そもそも最初にユーザをどのように獲得するのか、そしてサインアップした後のユーザをどうするのかという問題はまだ残っている。だが、そんなことは心配しなくてもよい。

ユーザオンボーディングについて本当に精通したい場合、私だったらuseronboard.comでオンボーディングのあらゆる分析を読み、Quora上の質問やGrowthHackers.comのトピックでユーザオンボーディングに関するものすべてに目を通す。自分の好きな製品について、オンボーディングのフローを勉強する。さらに、Twitterやメールでグロースハッカー数人に連絡を取り、考えを聞くということまでするかもしれない。また、UXやUI、ランディングページ最適化に関連する書籍を読み、自分自身でいくつかオンボーディングフローの構築も行うだろう。

こうしたステップを踏めば、数週間のうちにユーザオンボーディングについてのかなりの知識を身につけられるだろう。

最高の製品がユーザに対してすべてを提供するのでない。それと同様で、ある一点で傑出することに尽力するべきで、全てをこなせるグロースハッカーになろうとしてはいけない。少数の企業にとって役立つものを身につける方が、多くの企業にとって役立つものを身につけるよりも、簡単に仕事を得ることができる。

2. グロースハッキングの面接官の心を動かす

初心者としては、面接官に過去の経験を重視されないよう気をつけなければいけない。なぜなら語れることがあまり多くないからだ。

その代わり、グロースハッカーを探している企業はどこでも、ある特定の課題を抱えている点を理解しよう。つまり、ユーザ数を増やすという課題である。仕事を得るには自分は企業のためにこの課題を解決できること、その理由として企業側の問題点と、解決に要する具体的な試みが何なのか理解していることを伝えて、面接官を説得する必要がある。

グロースに特化した職種の面接時には、自分の知っていることと知らないことを明確にしよう。知識のないものに関して、知ったふりをしてはいけない。どちらにしても企業にはすぐにばれてしまう。

経験のない有料広告について訊ねられた場合は、こう答えよう。「有料広告は専門としていません。有料広告をお考えでしたら、私はお役に立てません。しかし、御社はオンボーディングのフローを最適化する必要があります。私はそちらに関しては深い知識を持ち合わせています。」

そして彼らをあなたの構想に誘おう。無料でアイデアを提供しよう。アイデアはあなたの企業秘密ではない。そのようなアイデアの実行こそが、採用の決め手となるのだ。

彼らの製品に関して、リーンマーケティングフレームワークを使ってみるのもいいかもしれない。彼らに「稼働率はどのぐらいですか。リテンション率は?」と聞いてみよう。

彼らが特定の問題について教えてくれて、あなたならどうするか聞かれたとする。即座に答えなくても、「わかりません。数字が何を示すのかにもよります。何か見せていただけるものはありますか?」と言っても全く問題ない。

目的は、あなたに任せておけば安心だということを確信させることである。つまり、どんなアプローチを取り、何を試したらよいのかわかっていることを示すことだ。

3. 立場を逆転させる

めったに実行されることのない、私の最大のアドバイスは、企業同士が自分を獲得するため競い合うような状況を作り出すことだ。

グロースハッカーの職に応募する場合、あなたは他の多数の応募者の1人、履歴書の1枚にすぎない。とても弱い立場だ。

私はこの問題に対する解決策を、偶然発見した。それはUdemyやSkillshare、General Assembly(現在のOne Month)などでグロースハッキングに関する講習を開始したときのことだ。専門職の方々がお金を払って1時間教室に座り、そこで私はグロースハッキングについて学んだこと、知っていること全てを彼らに教授していた。

1度の講習には40人そこらの人が教室におり、その誰もがグロースハッカーを必要としていた(だから講習に参加していたのだけれども)。講習後たいてい5人から10人が私のところへやって来て、仕事を探していないか、あるいはクライアントを募っていないかと訊ねられた。「とても役に立つ講習でした」と彼らは言う。「しかしかなりの労力を要する仕事です。報酬をお支払いするので、代わりにお願いできませんか?」

求職中の初心者へこのアドバイスをすると、よくこう言われる。「でも私には何の専門性もないんです!」

まず、先に挙げたポイント1を見てみよう。あっという間に小さな事柄について精通することはできる。

そして、クラスで教えたり、あるトピックに貢献し始めるためにエキスパートになる必要はない。私がはじめてプログラミングやグロースハッキングの学習経験について話し始めた時、そのどちらの専門家でもなかった。「私はプログラミングを独学している初心者にすぎませんが、自分が犯した間違いや学習したことについてお話しできます。そして、あなた方に同じ過ちをさせないようにすることができます」と私は話していた。

蓋を開けてみると、数歩先に進んでいる初心者は専門家よりも良い先生になれるのだ。初心者により共感ができるし、初心者がやること、知らないことについてよりよく理解しているからだ。

グロースハッキングについて教えている時、私が挙げる多くのテクニックやケーススタディーは、他のグロースハッカーを元にしていると前もって認めている。私は情報を伝達しているだけだ。

以上の3つのヒントが、グロースハッカーの仕事を得るうえで役立つことを願っている。グロースハッカーの面接のチャンスをつかんだり、仕事を得られるようになるために、もっとアドバイスやヒントはありますか? あるいは何か珍しい方法(例えば、自分の名前を検索している人のために、6ドル相当のGoogle Adwordsを載せることで仕事を手にしたこの人のように)を見かけたことがある? ぜひそうしたことをお聞きしたい! 下記のコメント欄にあなたのお考えを投稿してほしい(編集部注:原文はVentureBeatのサイト)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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