Île-de-France(イル=ド=フランス地域圏政府)、Mairie de Paris(パリ市)、フランス政府のスタートアップ支援組織である French Tech Tokyo、パリのスタートアップ支援団体 Paris & Co は29日、都内でイベントを開催し、3月24日にパリ市庁舎に世界からスタートアップ1,000社を集めて開催されるハックイベント「Hacking de l’Hotel de Ville(仮訳:パリ市庁舎でハッキング)」に招待する日本のスタートアップ4チームを発表した。
イベントの冒頭、地域圏代表の Valérie Pécresse 氏、パリ市長の Anne Hidalgo 氏が基調講演し、地域圏全体で毎年1,500社のスタートアップが生まれ、その総数は5,000社に上っていると語った。
前任のパリ市長がスタートアップ・エコシステムに積極的な投資を行ったことが功を奏し、地域圏内には現在100以上のスタートアップ・インキュベータがあり、パリ市内を流れるセーヌ川の畔には今年、フランスを代表する起業家で MVNO の Free の創業者である Xavier Niel 氏が、スタートアップ1,000社を収容できる世界最大のデジタルビジネス・インキュベータ「1000 Startup-Ups @ La Halle Freyssinet」を開設する予定だ。
Pécresse 氏 と Hidalgo 氏の講演に続き、フランス拠点の社員数が全社員の15%を占めるという、堀場製作所の執行役員である中峯敦氏が挨拶。日本のスタートアップのフランスへの進出を促した。
今日の東京イベントでは、日本に拠点を置くスタートアップ13チームがピッチしたが、このうち、パリ市庁舎でのハックイベントへの招待が決定した4チームは次の通りだ。
Accela(Paris & Co による招待)
秋葉原に拠点を置き、世界向けに恋愛モバイルゲームを配信するゲームデベロッパ。従業員は、フランス人、中国人、ロシア人、日本人など多国籍のチームで構成されている。
Emotion Intelligence(Paris & Co による招待)
ECサイト向け購買動機促進サービス「ZenClerk」を提供。EC サイト は自社環境に ZenClerk から発行された1行の JavaScript タグを埋め込むことで、デスクトップおよびスマートフォンからのアクセスに対し、ユーザの動きを分析することができる。機械学習とデータの解析に基づいて、ベストなタイミングでユーザの画面に割引クーポンを提示、ユーザを購買のアクションに誘導する。
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Up Performa(Paris & Co による招待)
プロフェッショナルのスポーツにおいては、ウエアラブルなどを用いてデータや分析が多用されている。それらのテクノロジーをアマチュアスポーツにも取り入れようという試みが Up Perfoma の開発する Eagle Eye で、位置情報や動きを表すヒートマップ、走行距離やスピードなどを測定し表示する。
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Locarise(Orange Fab Asia による招待)
Locarise は、実店舗向けの分析ソリューションだ。店舗の内部や周辺に小さなセンサーを設置し、店の前を何人が通過したか、何人のお客が来店したかなどの数値を自動的に収集する。システムのウェブベースのダッシュボードには、これらの数値に加え、滞留時間や再訪率などが表示される。
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