バックオフィス自動化ツールの「Gozal」がHR Tech領域に参入——雇用手続・勤怠管理・給与計算をまるごとアウトソース可能に

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2016.5.31

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バックオフィス自動化ツール「Gozal」を提供する BEC は31日、雇用手続・勤怠管理・給与計算(ペイロール業務)をまるごとアウトソース可能なワンストップ・サービスをローンチしたと発表した。このサービスを使うことで、企業はバックオフィス業務全般に加え、社員入社時の役所への届出、給与の自動計算と給与明細のオンライン発行、社員への勤怠入力の促し、必要に応じて、社会保険労務士への相談や業務代行を依頼できる。

Gozal の基本機能は、士業専門家への相談を含め無料で利用できるが、専門家に作業を依頼したときにのみ手数料が発生する。今回リリースされた、雇用手続・勤怠管理・給与計算のアウトソーシングの利用には月額980円が必要になるが、キャンペーン期間として6月末までは無料で利用可能となる。

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この分野では、インキュベイトファンドやセールスフォースが出資する Bizer(バイザー)に加え、East Ventures・DGインキュベーション・BEENEXT らが出資する SmartHR が、数々のスタートアップ・イベントで優勝を総取りするなど快進撃を続けている。これらのプラットフォームを敢えて整理してみると、Bizer はプラットフォームを通じたバックオフィス業務全般のアウトソーシングに長けており、SmartHR は社員管理まわりのバックオフィス業務自動化に傾倒しているように思われる。今回のサービス追加により、Gozal はその両方をカバーしたというのが筆者の解釈だ。

ペイロール業務は、アメリカなどでアウトソーシングされることが多いことに象徴されるように、専門知識よりもむしろ人的労力が必要とされる業務という色合いが強い。今回 Gozal がこの分野に参入した背景について、BEC の創業者で CEO の高谷元悠(たかたに・もとひろ)氏に聞いてみた。

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高谷元悠氏

今回新たに追加した労務機能によって、税務署届出や本店移転登記などの税務・登記サービスにおいて、より踏み込んだ形でサービス提供を行うことができるようになるので、ペイロール以外の機能も強化されることになります。なぜなら本店移転を行う際には、登記したあとにすぐ年金事務所やハローワークといった労務系の管轄機関にも届出が必要になりますし、さらに毎月の給与計算の結果として集計できる源泉税や住民税を把握することで、税金納付も自動化できる可能性が広がるからです。

つまり、日本のバックオフィス業務は労務・登記・税務が密接に関連しており、不可分の存在であるため、それぞれの機能が充実することで、それぞれの機能を支援する形になります。

特に従業員20名以下の企業が9割と言われている日本では、労務部・財務部・法務部が分けられておらず、管理部門1つだけでバックオフィス業務を数人でやっている企業がほとんどです。労務も税務も法務も一人で兼務しているケースが多いので、一括でサポートすることが合理的だと思います。

また、勤怠管理・給与計算の結果を、Gozal 内でお預かりすることで、さらに色々なタスクやリスクをアラートできる余地も広がるため、自動化のスピード・質も向上することになります。Gozal 本来の強みである、中小企業の状況を解析して、必要なタスクを自動通知する機能や概念も強化される形となります。

副次な効果としては、ペイロールがアウトソーシングされることにより、Gozal のようなプラットフォームは、ユーザである企業のアウト側(支出側)のキャッシュフローが追えるようになるだろう。昨今、FinTech スタートアップが金融機関と提携し、財務状況やキャッシュフローを追うことで資金需要を予測し、融資の提案などの営業活動を効率化する動きがある。今回のペイロール業務への進出により、Gozal は HR Tech のみならず、FinTech への可能性を広げられるかもしれない。

BEC は、ShareWis でのインターンを経て、大手監査法人に勤務していた高谷氏が2014年に創業。同年8月に Gozal をローンチし、今年1月にはサイバーエージェント・ベンチャーズ、ベンチャーユナイテッド、セゾン・ベンチャーズ、ウェブマーケティング会社の Speee から約1億円を調達している。

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