有料の動画コンテンツの配信には、Hulu、Netflix、Amazon Prime を始めとする動画配信プラットフォームが使われることが一般的だ。動画のコンテンツホルダーや映像製作者は、自らの思惑に従ってマーケティングしたいと考えているものの、事実上、動画配信プラットフォームに依存していることが多い。また、視聴者にコンテンツを届けるパスをプラットフォーマーが掌握しているため、収益構造的にコンテンツホルダーや製作者サイドの利益は薄いものとなる。Pulit が提起しようとしているのはこの構造を打破し、動画コンテンツ配信のイニシアティブを、コンテンツホルダーや製作者側に取り戻そうという、ディスラプティブなビジネスモデルだ。
Pulit の開発した「超流通」のスキームでは、コンテンツホルダーや製作者が配信したい映像を Pulit のクラウド環境にアップロードすることで、その映像のカバー画像に専用の電子透かし(Robust Image Watermark)が埋め込まれ、ダイレクトアクセスリンク(URL)が発行される。ユーザはこのダイレクトアクセスリンクをクリックすることで、パソコンやスマートデバイス上で OS ネイティブのプレーヤーが起動され映像が視聴できる。DRM制御も機能するので、コンテンツホルダーや製作者が設定した条件に基づき、ローカル環境に動画を保存したり、再閲覧したりすることも可能だ。
コンテンツホルダーや製作者は、課金型の有料の動画配信(pay per view)が行えるほか、管理ダッシュボード上のスイッチ一つで、コンテンツ単位でコマーシャルを挿入した無料での配信(民放と同じモデル)に切り替えることもできる。未公開のコンテンツについては、視聴者が予約をしておけば、公開時に LINE で映像再生用のダイレクトアクセスリンクを含んだ、プッシュ通知を受け取ることも可能だ。