アジア向けインフルエンサーマーケティングのマネージメントプラットフォーム「Withfluence(ウィズフルエンス)」がローンチ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2016.8.24

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東京を拠点とするウィズフルエンスは24日、アジア市場向けインフルエンサー・マーケティングのマネージメント・プラットフォーム「Withfluence」を正式にローンチした。アジア市場でインフルエンサー・マーケティングを実施したい企業に対し、企画・交渉・実行・効果測定を一気通貫に対応できるダッシュボード環境と支援体制を提供する。

目指すは、アジアのインフルエンサー・マーケティングのファシリテーター

インフルエンサー・マーケティングのプラットフォームは数多く存在するが、Withfluence の立ち位置をわかりやすくするために、ウィズフルエンスの共同創業者で CEO の岡本博之氏の弁を借りると次のように大別できる。日本内外で有名どころのサービスも含めて例示してみた。

  • マネージド・キャンペーン…TAGPIC3MinuteENGN など
  • インフルエンサー・マーケットプレイス…ROOSTER など
  • 発注主とインフルエンサーのマッチング・サービス…BIZCASTiConcastSPIRITFamebit など
  • インフルエンサーの管理 SaaS(企業が自社でインフルエンサーを管理するケース)…Traacker, TapInfluence など

日本では圧倒的にマネージド・キャンペーンのサービスがシェアを伸ばしている一方、日本企業からはアジア市場へのインフルエンサー・マーケティングの要望が多いため、岡本氏は当初、日本や世界とアジア市場のインフルエンサーを結ぶマッチング・サービスをしようと考えた。確かに、このようなしくみは、99designsdesignclue など、デザインのクラウドソーシングの世界ではワークしている。

しかし、岡本氏は、クライアントから比較的細かい条件が言葉で提示されるマーケティングの世界では、英語がネイティブでなかったり、業務の細部に対する観念が緩かったりするアジア市場のインフルエンサーとの間で、クロスボーダーのマッチング・サービスを展開するのは難しいと判断。ウィズフルエンスはマネージド・キャンペーンとマーケットプレイスの間あたり、ファシリテーター(調整役)に徹することにした。ベトナム(ベトナム・タイ・シンガポール市場をカバー)・台湾・香港にいるウィズフルエンスのチームメンバーが、マーケティングを実施する企業のインフルエンサー探し、インフルエンサーとの間のコミュニケーション、マーケティング・キャンペーンの成功率向上を包括的に支援する。

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Withfluence のダッシュボードにある、インフルエンサーのプロフィール一覧画面

Withfluence のダッシュボード上では、各インフルエンサーが頻繁に使っているハッシュタグのほか、フォロワー数やエンゲージメント率の推移も時系列で追えるので、インフルエンサーのドーピング(インフルエンサーがフォロワーやエンゲージメントをお金を出して買っており、コンバージョンには結びつかないことが多い)を見破ることもできる。現時点では Instagram 上のインフルエンサーにのみ対応しているが、近い将来には、Facebook にも対応する予定だ。

「Influencer Marketing」「Asia」でググると、(Withfluence が)上位3位に来ています。こういうことも影響して、アメリカやヨーロッパからも、正式ローンチ前から多数問い合わせをいただいています。マーケティングしたいターゲット市場として、最も問い合わせが多いのは台湾ですね(岡本氏)

ブランドにはソーシャルメディアのグローバル運用、芸能事務所には所属タレントのマーケティングも支援

Withfluence の開発から派生する形で、いくつかの派生サービスも生まれている。

まずその一つが、ソーシャルメディアの多言語運用だ。以前、THE BRIDGE でも紹介した、お菓子のスタートアップ BAKE は、ソーシャルメディアを使ってブランドを世界展開しているが、ブランディングを統一する観点から、言語や市場毎に分かれているソーシャルメディア・アカウントをを東京の本社で一元管理しているのだそうだ。ウィズフルエンスでは、BAKE の担当者がメッセージを日本語で投稿するだけで、その内容が複数言語に翻訳され、各言語や市場毎のアカウントで投稿されるしくみを実現している。いわば、ウェブサイト翻訳で知られる WOVN.io のソーシャルメディア版。機械翻訳された内容をウィズフルエンスの多国籍スタッフがチェックするほか、社内でサポートできない言語については、人力翻訳サービスの「Gengo」と連携して網羅している。

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Withfluence のダッシュボードにある、インフルエンサー毎のパフォーマンス確認画面

また、ある大手芸能事務所には、所属アーティストやタレントのソーシャルメディアの多言語展開を支援するほか、前出のインフルエンサーのフォロワー数やエンゲージメント率の推移も時系列で追える機能を応用し、ネットメディアでの好感度ランキングに相当するような指標を提供している。これまで、アーティストやタレントのギャラを決めるための参考指標は、ビデオリサーチやニールセンが調査するマスメディアの視聴率などしかなかったが、ウィズフルエンスが提供するしくみを使えば、オンラインに特化した彼らの個々の影響度を可視化できるのだという。

Withfluence から得られた指標をもとに、どういう投稿をすればフォロワー数やエンゲージメント率を上げられるか、芸能事務所は所属アーティストやタレントにアドバイスができるようになる。キャスティング・エージェンシーなどでは、まだ表舞台では活躍していない、将来のインフルエンサーの発掘に応用できるのではないかと期待している。

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AdTech Tokyo International で、Withfluence について説明をする岡本博之氏(23日、東京・上智大学にて)

ウィズフルエンスは、ベトナムでメディアや広告会社を営んでいた岡本博之氏(現 CEO)と、訪日外国人向けのウェブサービスや翻訳アプリを開発していた本間圭一氏(現 CTO)が2016年5月に設立。ウィズフルエンスを立ち上げる以前は、岡本氏と本間氏は、タイを拠点に〝アジア版 Shopify〟のようなインスタント EC のプラットフォームを開発していたが、Open Network Lab の第12期アクセラレータプログラムへの参加を経てピボットし、Withfluence をローンチするに至った。

ウィズフルエンスでは今後、日本内外での顧客獲得に注力し、年内にはシードラウンドでの資金調達を目指したいとしている。

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左から:共同創業者 兼 CEO の岡本博之氏、共同創業者 兼 CTO の本間圭一氏

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