台湾AppWorks(之初創投)が第13期デモデイを開催、スタートアップ27社を輩出——今求められるのは、人々が仕事をしやすくするサービス

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アジア最大級のアクセラレータ AppWorks(之初創投)は今日(原文掲載日:11月8日)に第13期デモデイを開催し、AppWorks 創業者の Jamie Lin(林之晨)氏が未来のテクノロジーの話でイベントを開始した。彼は AppWorks が形成したエコシステムの、これまでの成果についても披露した。AppWorks から輩出されたスタートアップは305チーム、起業家660人。輩出スタートアップの合計調達額は86億ニュー台湾ドル(約305億円)で昨年に比べ60%増、全スタートアップの総評価額は285億ニュー台湾ドル(約1,013億円)となり、全社をあわせればほぼユニコーンの価値になる。

ピッチに参加したチームのビジネス領域も広がり、人工知能(AI)、バーチャルリアリティ(VR)、O2Oサービスから Eコマースまで多岐に渡った。参加した27チームの平均年齢は3回前のバッチに比べて2歳若い30歳となり、最も若い参加者は22歳の大学生だった。また、女性により起業が全体の4分の1を占め、彼女たちの紹介するスタートアップのピッチは、男性のそれよりも眩しいものだった。

台湾のスタートアップは、より層が厚く身近な存在に

今回のデモデイでは台湾の起業家チームが多数を占め、起業アイデアは多岐にわたり新鮮で、その多くは予想もできない生活の中の隠れた需要を扱い、彼らがが使いやすいサービスへと実装した。「Lawsnote」の創業者が弁護士であるが、彼は既存のデータベースを使って調べものをすると、しばしば検索結果が正確でなく、関連性に応じた検索結果の表示順序に問題があると感じた。Lawsnote は法曹従事者が、法律の解釈を調べるための検索エンジンで、検索に関わる手間を大幅に低減する。サービスが開始されてから2ヶ月経っていないが、ユーザは2,500人を突破しており、約9割のユーザが弁護士だ。

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台湾の学校でのいじめは憂慮すべき問題だが、一方で教師が生徒の友人間の状況を把握するのは難しい。「Peer」はまず、いじめを減らすことからはじめ、双方向の評価アンケートによって分析するシステムを設計しており、同じクラスにおける交友関係を分析・表示、カウンセラーが速やかに仕事をできるように補助する。現在、49の学校がこのシステムを採用しており、将来的には、どの生徒が注意を要するか見極めるための、台湾政府のいじめ防止対策「学校仲良し計画(校園友善計画)」と協力したいとしている。

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AppWorks  が輩出した Justfont は最近「金萱半糖体」をローンチしているが、一方で台湾のフォントに関心を持つスタートアップもいた。「Writes(守写字)」は手書き文字が好きな人が筆跡を残すことができ、フォントを作成している。さらに興味深いことに、よく使われる文字3,000字を選んで、それらを残す「分期造字」計画を発表している。ユーザはまもなく1,000人を超え、39のフォントが生まれている。

女性起業家の方が、ピッチがうまい

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デモデイでは4分の1が女性起業家が占め、記者会見では概ね、女性起業家によるチームやサービスの説明は、男性起業家より優れていた。PIN が発表した、共に旅する人を見つけられるプラットフォーム「FRNCi」は、「Taiwan Sucks!」という一言で聴衆を引きつけ、とてもなめらかにサービスの説明をした。他の男性起業家たちは、非常に緊張してリラックスした説明ができなかったようだ。

大学を休学し、スタートアップを始める起業家たち

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もう一つ印象に残った女性起業家は、学校を休学して創業した Alma 氏だ。彼女は友達と、大学キャンパス向けの出前プラットフォーム「Hojia(好食)」を創業し、昼食のために外出する学生の不便をなくし、飲食店の出前スタッフの人手不足の解消を目指している。今年9月に出身大学でサービスをローンチし、毎日の注文数は500件を突破し、月あたり売上額は107万ニュー台湾ドル(約380万円)に達しようとしている。

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もう一つの大学生によく知られたスタートアップ「Colorgy」は、当初は時間割の調整ツールから始め、その後、スケジュール管理や友人とのコミュニケーション機能を持ったアプリにピボット。8人の台湾科学技術大学の学生による共同創業で、彼らは意図的に遅番にすたーとあっぷを始めたと語った。まもなくユーザは10万人を超える見込みで、この人数は台湾全土の大学生総人口の1割を占める。

香港からは6チームが参加

今回のデモデイで、さらにもう一つの入りライトとしては、香港から参加のスタートアップが6チームを占めたことだ。

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そのなかでも、香港最大の日用食品 E コマースプラットフォームの「Ztore(士多)」は、中国の老舗ブランドをオンラインで独占販売するビジネスも開始している。彼は自分たちを E コマースではなくライフスタイルブランドと位置付けていて、地元食品の購買が一つのブームになりつつあるとのことだ。

EventXtra」は香港で少し有名なイベント管理ソフトウェア開発会社で、イベントを開催したときに発生する細々とした作業をシステム化しており、イベントの参加者への案内の送付、参加者の受付、参加者名簿の公開、名刺の交換、調査やアンケートができる。この日のデモデイでは、イベントの進行に EventXtra が採用されていた。

AppWorks 創業者の Jamie Lin 氏は、台湾の産業状況は世代転換の真っ只中にあり、台湾の E コマースは毎年15〜20%のペースで成長を続けているとし、小売業は世界のトップを走っているスピードだと話した。今回のデモデイにも多くのサービス型 E コマースが登壇したが、台湾は自らの強みを活用すべきで、加速し、そして東南アジアと連携し、新興市場のチャンスを掴むべきだ。

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【原文】

【via TechOrange】 @TechOrange