インドネシアのファッションコマース・スタートアップBerrybenkaが数千万米ドルを調達、O2Oやオムニチャネルを強化へ

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左から:Berrybenka CEO Jason Lamuda 氏と、取締役のの Danu Wicaksana 氏

インドネシアのファッションコマース・スタートアップ Berrybenka は今日(原文掲載日:1月26日)、数千万米ドルの出資を Maj Invest Private Equity、Asia Summit Capital、Softbank-Indosat Fund、および複数の非開示の現地投資家から受けたことを発表した。Berrybenka はこの出資を2016年第4四半期に受けたとしている。これは2013年に同社が実施した500万米ドルのシリーズBラウンドに続くものだ。

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南ジャカルタで開かれた記者会見イベントで、Berrybenka CEO の Jason Lamuda 氏は、調達資金がマーケティングやユーザ獲得、人材の獲得や維持、在庫サイクルの維持のために使われると説明した。また、今回の出資とあわせて、Berrybenka は2017年の主要戦略についても明らかにした。

Berrybenka は今後、10〜15軒の期間限定ポップアップ・ストアと、6〜10軒の恒久的店舗をローンチするとともに、2016年から進めて来た O2O アプローチの強化を続けていくとしている。Pontianak、Balikpapan、Ambon などインドネシアの新しい都市で、ポップアップストア・イベントの開催も始める予定。

Lamuda 氏は、Berrybenka のオフラインストアが、売上を伸ばす上で重要な役割を果たしていると語った。ショッピングモールに開設されるポップアップ・ストア1店舗あたりの営業期間は3〜6ヶ月間で、ポップアップ・ストア1店舗によって、店を開設した都市全体の売上を6ヶ月以内に2〜4倍にまで押し上げることができるとしている。オンライン販売についても、ストア1軒が売上を1.5〜2倍増加させた。

オンライン販売とオフライン販売は相互補完関係にあり、オムニチャネルこそが目指す方向だ。オムニチャネルは、単にウェブサイトとオフラインストアの両方を開設するというだけでのことではない。ファッション業界においては、販売チャネルを多く持てば持つほど、良い状態が生まれる。(Lamuda 氏)

Berrybenka はロイヤルカスタマ向けに新たなパーソナル・ショッパー機能をローンチさせる予定だ。この機能では、2〜3名のカスタマーサービススタッフが、WhatsApp などのメッセンジャーアプリを通じて、ファッションのアドバイスをユーザに提供する。ユーザは特別なアフターセールス・サービスや、ローンチ前のプロモーションを受けられるようになる。

Berrybenka は、サイズが大きめの顧客向けの Berrybenka Curve や、ハイエンド商品を扱う Berrybenka Premium といった新しい商品群をローンチさせる予定だ。Berrybenka によれば、同社のプライベートレーベル・コレクションは、売上の40%以上を占めているという。

話を総合すると、Berrybenka は昨年9月に従業員の一部をレイオフしたのにもかかわらず、2016年の売上総利益で前年比100%以上の成長を見せている。この数字を作り出している主因は、購入頻度の上昇と新規顧客の流入によるものだ。

Berrybenka には、ジャカルタ都市圏以外の都市からも多くの顧客が訪れるようになっているという。2015年には、ジャカルタ都市圏からの顧客が60%を占めていたが、他の都市圏のユーザが増えたのに伴い、その割合は10%にまで減少している。

【via e27】 @E27co

【原文】

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