中国の配車サービス大手Didi Chuxing(滴滴出行)、電気自動車市場進出に向け充電ステーションの建設計画を発表

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Image credit: Didi Chuxing(滴滴出行)

中国最大の配車サービス企業 Didi Chuxing(滴滴出行) は電気自動車市場まで手を広げようとしている。世界ですでに26万台の電気自動車(EV)を展開する中国のユニコーンである同社は、自社の EV 充電ステーションを建設する計画を立てている。

北京で本日(11月2日)行われた持続可能エネルギーサミットの場において、設立者兼 CEO の Cheng Wei(程維)氏は、ジョイントベンチャープロジェクトで自社の EV 充電ステーションを建設する計画を発表した。

Didi の充電ネットワークは当社の車をカバーするだけでなく、家族連れや一般の方々にも利用してもらえるよう計画しています。

国連と共にサミットを共催した世界エネルギー相互接続開発協力機構(GEIDCO)は、Didi の初となるジョイントベンチャーに対して新たなインフラプログラムの主要パートナーとして出資する予定だ。GEIDCO は北京を拠点とする組織で、「世界の持続可能なエネルギー開発」を促進している。

配車サービスのユニコーンである同社は、初のプロジェクトとして「オレンジ・エネルギー(Orange Energy)」をローンチする計画だ。このサービスは都市部にある既存の充電ステーションをマップ化し、その情報を Didi の運転手アプリに表示する。オレンジ・エネルギーはまず、一部の都市でパイロットプロジェクトとして展開し、その後国内全体に広がっていく予定だと同社の広報担当者は Tech in Asia に語ったが、ローンチ日程については明らかにされなかった。このサービスは将来、Didi の運転手以外のユーザにも開放されるという。

多くのプロジェクトはまだ開発計画段階で、スケジュールは決まっていません。

彼女はそう付け加えた。

電気自動車の分野では中国は世界最大の市場だ。2016年にはハイブリッド車および完全電気自動車が約50万台販売された。この水準は、米国で販売された EV 台数の約4倍だ。大気汚染の軽減と排気ガスの削減に向けて中国政府はトップダウンで電気自動車市場を拡大させており、2015年には50億米ドル以上の補助金を支給した。外国、とりわけ英国などと同じように、中国は化石燃料を動力とする自動車の販売期限を設定しようとしている。

中国では充電ステーションも急速に拡大している。Research and Markets の調べによると、この国には昨年末までに約31万か所の充電施設(充電ステーションと似ているが、充電速度が遅い)が設置されている。

世界最大のオンライン輸送プラットフォームの一社として、Didi は充電ステーションの場所と密度を最適化するのに十分なデータを備えている。世界で4億5,000万人のユーザと2,100万人の運転手がいるとしており、交通量をリアルタイムで分析する包括的なビッグデータプラットフォームをすでに開発している。Cheng 氏によると、EV は2020年までに26万台から100万台へと増加する計画だという。

Didi は交通渋滞の削減に向けて、国内で多くの地方自治体とも連携している。例えば済南では、交通の流れに応じてリアルタイムで信号の色を切り替えることができる。Didi のアプリは自社車両の追跡に加えて、特定の都市では公共バスの位置や動きを表示したり、Ofo(小黄車)の自転車シェアリングサービスと統合したりしている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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