韓国発でY Combinator輩出のSendBird、シリーズAで1,600万米ドルを調達——デベロッパーが自社アプリにチャット機能を追加しやすく

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Sendbird

デベロッパーがアプリにメッセージング機能やチャットサービスを構築するインフラを提供している SendBird は、Shasta Ventures と August Capital がリードするシリーズ A ラウンドで1,600万米ドルを調達した。このラウンドには Y Combinator と FundersClub も参加した。

カリフォルニア州レッドウッドシティを拠点とする SendBird は、モバイルアプリやウェブサイトでチャットやメッセージング機能を使えるようにするメッセージング SDK やチャット API を提供している。このサービスは表面上、デベロッパーがアプリでコミュニケーション機能を統合できるようにしている Twilio や MessageBird の製品と類似しているが、両社のプラットフォームはどちらかというと通話や SMS に対応する電話のインフラで構築されている。

一方、SendBird の方は写真の共有、グループチャットなどが簡単にできる豊富な機能を揃えたインターネットプロトコル(IP)メッセージングだ。直接的に競合するのは、今年に入り1,500万米ドルを調達し、Salesforce や Microsoft といった大物企業が支援しているという Layer のようなスタートアップだろう。

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SendBird 使用例

SendBird は2015年に韓国で設立され、中核の R&D 拠点は今でもその地にある。しかし本社はシリコンバレーに移転した。

SendBird は Y Combinator の2016年冬期バッチ卒業生で、Twitch の共同設立者 Justin Kan 氏や Lookout の共同設立者 Kevin Mahaffey 氏、Horizon Partners の Sandy Kory 氏、Algolia の CEO の Nicolas Dessaigne 氏から260万米ドルのシード資金を調達した。今回の大型投資を受け、顧客ベース拡大の計画を加速させる方針だ。

SendBird の CEO 兼共同設立者の John S. Kim 氏は次のように述べている。

企業が行う人とのやり取りをデジタル化させるのが私たちのミッションです。今回調達した資金を活用して、当社のチャット API でリアルタイムの会話を可能とし、企業が顧客エンゲージメントを高め、ユーザを維持する取り組みの手助けをするという計画を加速させることができます。

同社によると、世界で6,500超のアプリにチャットやメッセージングの機能を追加しているほか、アプリあたり100万超の同時接続ユーザをサポートする能力を備えているという。顧客にはアジア版 Uber のライバル企業で最近インドネシアにて初のユニコーンスタートアップとなった Go-Jek、韓国の動画ゲーム大手 Nexon、韓国の KB 国民銀行などがある。

効果的な IP メッセージングシステムの構築には、世界レベルで信頼のおけるインフラが欠かせない。たとえ10億米ドル規模の企業であれ、この機能を自社で構築するよりは、アウトソーシングする方がはるかに効率的だ。

August Capital のパートナーである Villi Iltchev 氏は次のように述べている。

企業や消費者向けアプリでは、メッセージングや API サービス機能の採用が広く進んでいます。SendBird は、オンラインマーケットプレイスでの顧客とのやり取り、オンデマンドサービス、e コマース、大規模なオンラインコミュニティの育成といった場面で、世界クラスの企業が様々なユースケースで数百万のユーザにスケールできるよう、豊かで魅力的なメッセージング体験を可能にしています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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