アフリカのeコマース・ユニコーンJumia、Alibaba(阿里巴巴)のバックヤードになる理由とは?

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Jumia
Image credit: Jumia

早春の激しい雨にもかかわらず、深圳に高くそびえる Hilton へと国境を跨いで活動する100以上のベンダーが時間ちょうどに到着した。アフリカ大陸における重要な e コマースプレイヤー Jumia のためにやって来たのだ。

もしアフリカに賭けるなら、それは高い成長率に賭けるということです。未来に賭けるということです。

Jumia のグローバルユニット CEO である Eric Lauer 氏は部屋を埋め尽くす販売業者に語った。

Jumia は2012年にアフリカのベンダーと買い物客をつなぐオンラインマーケットプレイスとして始まり、2015年には世界最大の e コマース企業 Alibaba(阿里巴巴)の本拠地である中国に店を構え、中国の商品をアフリカへと持ち帰っている。

Jumia はアフリカ大陸で大きくなっている輸入品への強い興味を注視している。近年アフリカの消費力は、特にナイジェリアやエジプトのような最大の経済圏では飛躍的に伸びてきた。McKinsey の報告書によれば、2025年までにはアフリカの世帯収入は少なくとも年間5,000米ドルになるとされ、これは収入の一部を食費以外にも使い始めるレベルである。

だが地元で買い物ができる人は多くはない。

アフリカ大陸ではまだ製造業が盛んではありません。

Lauer 氏は述べる。スマートウォッチや家具、服や低価格で高品質なおむつまで無数にある中国製品にとってはそれが好機である。中国は既にアフリカにとって最大の取引相手となっており、2017年には二者間の取引量は1,700億米ドルに達した。

同時に、オフラインでの買い物の選択肢は乏しい。Jumia によると、アメリカでは400人に対してモールが1つである一方、アフリカではこの比率が1:60000となる。

アフリカにおける消費は実店舗を飛び越して直接オンラインへと向かうリープフロッグ型発展であり、地域全体に浸透し成長を続けるインターネットがこの趨勢に拍車をかけている。2025年までにアフリカ人の半数はインターネットにアクセスするようになり、アフリカ最大の経済圏ではeコマースが小売の10%に上るだろうとMcKinsey報告書は述べている。

その次には、実店舗を持つ小売業者と地元の製造業者の格差が国境を越えるeコマースの余地を作り、ある時点でそれは「アフリカのeコマース全体の40から50%」になるだろうと、Lauer 氏は Tech in Asia とのインタビューで述べた。

私たちは品揃えがもっとも良いところ、つまり中国から調達します。(Lauer 氏)

Jumia にとって今もっとも差し迫った仕事は、より多くの中国人ベンダーを巻き込むことである。そのために、同社は自身を旧来の中国アフリカ間の取引に替わる、より良い選択肢として売り込んでいる。

仲介取引

長年にわたって中国の小規模な販売業者はあまりに遠く不案内な未踏のフロンティアであるアフリカでの販売を仲介業者に頼ってきた。中国南部の工場に囲まれた大都市広州や、世界最大の卸売市場を持つ中国東部の小都市義烏には、大量のアフリカ人貿易業者が殺到し、地元の販売業者と交渉し、国に持ち帰るための安く製造された品物を捜し歩いている。

大陸間の輸送を自分で手配し、現地の代理人に製品を直接届けることを選ぶ中国人ベンダーもいる。いずれにせよ、取引から得る中国人販売業者のマージンは低い。

アフリカにモノを売る際の問題は、手数料等々でマージンを食い潰す多くの仲介業者がいることです。

商品が顧客に届くまでにおそらく4人か5人は仲介業者がいます。中国の工場から出たときには100人民元(16米ドル)だった値段は、アフリカでは400~500人民元(63~80米ドル)になってしまうものなのです。(Lauer 氏)

中国の輸出業者にとってはロジスティクスが別の障害として立ちはだかる。通関の際の保留や変わりやすい国境規制のために、輸送の遅れは日常茶飯事である。船便は航空便よりも安価ではあるが、到着までに数週間かかることもある。やっと小包がアフリカに到着しても、物流インフラの格差によって、現地での配達が厄介になることもある。

アフリカ人バイヤーからの支払いを回収するのも困難なポイントだ。世界銀行によると、2014年時点でサハラ以南のアフリカでは成人の65%以上が銀行口座を持っていない。そして SMS やモバイルアプリを通したデジタル決済が参入したものの、新しく作られたキャッシュレスのソリューションには多くの地方が懐疑的なままである。

これらの困難がはるか彼方にいる中国人輸出業者を悩ませている一方で、e コマースプレイヤーには機会を提供している。彼らは世界中の商品に対するアフリカの欲求に応えるために必要なロジスティクスや決済のインフラを構築し始めている。

リープフロッグ型発展をする e コマース

Jumia
Image credit: Jumia

これらの登場しつつあるプレイヤーの一つが、2012年に設立された Jumia である。

アフリカの Amazon とも呼ばれる同社は、東南アジアの Lazada の支援もしているドイツのスタートアップビルダー Rocket Internet から支援を受けている。2013年から Jumia は平均して前年比80%の成長を続けており、2017年には総取引量が6億1,900万米ドルに達した。

Jumiaは現在運営している12の国のうち、ナイジェリア、エジプト、コートジボワール、モロッコ、そしてケニアの5つに中国の商品を持ち込んでいる。同社は正確な量を明らかにしなかったが、既に中国の製品は国境を越えた売り上げの「非常に大きな」部分を占めているという。ヨーロッパやアメリカも Jumia の将来の調達先として計画中だ。

中国人ベンダーを引きつけるために、Jumia はより大きなマージンを約束している。手数料は商品のカテゴリーによって5~10%であり、これは一連の仲介業者を通して行うよりもかなり低い割合である。

Jumia の主要な中国人ベンダーである Sailvan 氏が販売プロセスを言い表す言葉は「簡単」である。ベンダーは注文を受けると、中国に5ヶ所ある Jumia の倉庫のいずれかに荷物を回す。Amazon のアセットヘビーマネジメントと同様に、Jumia はその後のすべてを処理する。国際輸送、通関、倉庫のフルフィルメント、そして玄関までのラストマイル配達、現在はこのプロセスに航空便を使って10日から15日程度かかる。

しかし顧客はスピードを求めると Lauer 氏は強調する。その目的のために、Jumia は現地の倉庫にあらかじめ海外の商品を預けておくことで可能となる即日輸入配達に賭けている。この案は Jumia と同社の販売業者にとってコストカットにもなる。返品された商品は大陸を横断して帰路につく必要がなく、折り返し現地の最寄りの倉庫に戻されるからだ。

Alipay(支付宝)や WeChat(微信)が中国のeコマースを促進した方法と同じように、Jumia はアフリカの買い物客向けに独自のモバイル決済を構築している。また e コマースに懐疑的な人に対しては代金引換も提供している。中国に向けては、ベンダーへの支払いは基本的に隔週となっているが、支払いの遅れは今でも起こっていると Sailvan 氏は Tech in Asia に語った。

支払いの遅れの主な理由は、販売業者の一部は私たちの国際決済システムの Payoneer を使っておらず、そのため資金の移動を一つひとつ手動で行っているためです。Payoneer を使っている業者に関しては、アフリカにある私たちの地元金融チームが必要とする調整時間のためです。

支払いの遅れを解決することが私たちが今積極的に取り組んでいる課題です。(Lauer 氏)

他にもeコマースが解決できない、受け継がれている問題がある。Tech in Asia が話をした中国のベテラン輸出業者は、アフリカ大陸の不安定な為替相場と生まれたての金融システムが Jumia にとってのリスクとなり得ると考えている。オンラインの小売業者はベンダーとの間で1週間分の為替レートをあらかじめ固定しておく。つまり現地の通貨が下落したらその損害を負わねばならないということである。代金引換もまた、より高い人件費や、時には現地の安全面での事情による致命的な事故につながりかねない。

ユニコーン企業への課題

Jumia のドライバー
Image credit: Jumia

2016年、後に Africa Internet Group として知られることとなる Jumia は、同社の価値を10億米ドルにまで引き上げる資金を掴んで、アフリカ大陸で最初のユニコーン企業となった。それでもまだこの巨人は内と外の両面からの難問に囲まれている。

Jumia と同様に Alibaba も成長中のアフリカeコマースの果実を求めて競争している。Alibaba はまだ足を踏み入れてはいないが、既に同社の世界的なサービス AliExpress(全球速売通)は第三者の配送サービスを通じてアフリカ大陸に商品を輸送している。Jack Ma(馬雲)氏は昨年ケニアを訪れた際に、Alibaba は現地にロジスティクスセンターを建てる計画があることを明らかにした。

2014年に Huawei Africa(華為非洲)の元社員が設立したアフリカのeコマース Kilimallもまた、地元および国際的な販売業者から調達しており、その中には中国の業者も含まれている。Jumia と似た独自の決済およびロジスティクスサービスを持ち、Kilimall は現在アフリカの3ヶ国で営業している。

最後に、自前のロジスティクスは配達サービスやスピードを大きく向上させるが、収益性へのコストにもなる。

はい、短期的には、ラストマイルのロジティクスを100%自前で持つことは私たちのマージンに影響を与えます。ですが長期的にはカスタマーエクスペリエンスをコントロールし、世界中で唯一このカスタマーエクスペリエンスだけが重要なことなのです。

Lauer 氏はそう強調し、Jumia はラストマイルの配送料金を買い物客に求めるつもりであると付け加えた。

Jeff Bezos 氏はときどき Amazon は小売業者というより物流業者であるというふうに言うじゃないですか。私たちも同じように考えています。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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