Google、機械学習フレームワークTensorFlowを大幅アップデート——SwiftとJavaScriptもサポートへ

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Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat

Googleは3月30日、機械学習のフレームワークTensorFlowに関するいくつかのアップデートを公開した。

TensorFlowは、様々な領域の開発者にとって便利なフレームワークを提供し、データサイエンティストに対してAIモデルの開発を始める上での新しい方法を提供するものだ。

TensorFlowは、開発者が機械学習モデルをセットアップし運用する際に使うことができる、もっとも人気のあるプログラミングフレームワークの一つだ。開発者にとっては最初から組み立てることなく、自分のAIのコードを容易に走らせることが可能になる。データが演算の際にどのように動くのかを表現する計算グラフの概念に基づいて組み立てられている。

Google のAI戦略においては非常に重要な部分だ。というのも、TensorFlowは、同社のデータサイエンティストがよりインテリジェントな機能を開発し、機械学習の研究を実施する上でも役立つからだ。

また、それをオープンソースプロジェクトとして公開することはすなわち、他の人の貢献による恩恵を享受し、同時により広く利用可能なテクノロジーによってAIの領域を前に進めていくことができるということを意味する。

Googleはウェブブラウザ上で機械学習のタスクを走らせるために、JavaScriptをTensorFlowに統合した。また、来月にはTensorFlow for Swiftをリリースする予定だ。

よりパワーの低いハードウェアで機械学習を実行するためのフレームワーク、TensorFlow Liteは、新たにRasberry PiとAndroid、iOSデバイスをサポートすることになった。

また、TensorFlow Hubも発表された。開発者が複数のモデルで再利用可能な、既に開発された様々なモジュールを共有できるレポジトリーだ。

TensorFlowは、開発者が計算グラフのどのノードが機能しているかを視覚的に理解することができる新しいデバッガーも新たに付け加えた。

また、Googleがこの日発表した新しい方法のおかげで、Estimator APIsを使って、複数のGPUをもつ単体のマシン上でモデルを運用することも容易になった。最後に、ベイズ分析をサポートするProbability APIも新たに発表している。

GoogleにとってTensorFlowの戦略的重要性を踏まえると、こうした新しい機能は非常に重要だ。Googleは、クラウドの領域でMicrosoftやAmazon、IBMと競い合っており、TensorFlowの人気によっては法人顧客がGoogleのCloud Platformを使う可能性が高まるからだ。

(本記事は抄訳になります。)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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