
Image credit: Pinkoi
台湾拠点の e コマースプラットフォーム Pinkoi が、海外からの注文増加および中国への本格参入のため、アジアでさらなる事業拡大を行うと発表した。
海外から Pinkoi への注文数は過去2年間で200%増加し、全取引のうち当初は10%未満だったが、30%を超えるまでにアップした。
海外事業での需要増加は、商品の変化や各市場へのアプローチによるものだと同社は話す。
海外取引をより強固にするために2016年、日本のデザイナー e コマースプラットフォーム iichi を買収。これにより、日本サイドの才能あふれるデザイナーへのアクセスが可能となった。
前年の2015年、Pinkoi はタイに進出。地元デザイナーを徐々に増やした結果、今では500を超えるタイブランド製品の販売を手掛けているという。
共同設立者で CEO の Peter Yen(顔君庭)氏はインタビューで、 タイブランドとの契約が100件になった辺りから、成長に弾みがついたと語る。これを契機に2016年、海外事業を拡大し始め、昨年の急成長へとつながった。
上記の国のほかにマレーシア進出も果たしており、現在は中国への本格参入を目指している。
中国でオフィスを開設する計画はないとしたものの、5月に Pinkoi マーケットフェアを広州市で開催し、サイトで扱う商品を展示する予定だと Yen 氏は話している。
Yen 氏によれば、ロジスティクス業務の透明化を高めるため、DHL や FedEx、地元の配送業者らと2年にわたり連携しているという。
顧客は配送のスピードには関心がなく、むしろ「商品の現在の配送状況」を気にするため、確実に届くという安心感を提供しようと模索している。
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買い手と売り手のインターフェース
Yen 氏は、同社における受注から出荷までの所要時間を30%短縮し、顧客の満足度が上がったとともに販売者側の効率も上がったと話す。
Pinkoi におけるモバイル経由の取引の割合は、中国と日本で全体の77%、台湾とタイで60%に達している。携帯電話ユーザに合わせるため、顧客側のインターフェイスはもちろんのこと、販売者側のバックエンド管理を状況に応じて調整している。
今後、プラットフォームで顧客と販売者が直接コンタクトできる機能を強化し、すでに実装している評価システムを拡大させる予定だという。エリアは88ヶ国に及び、異国間で販売者と顧客とが理解を深め、より簡単に購入の決定ができるよう、コミュニケーション用チャンネルの必要性が高まっていると Yen 氏は語る。
国境を越えた取引を増やすのが最も重要だと話す Yen 氏。それが一番大変なことであるが、うまくいけば Pinkoi の競争力をさらに上げることができると語った。今後の目標は、「取引の60%を国際取引にすること」だという。
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