Makuake、韓国随一のクラウドファンディングプラットフォーム「Wadiz」と提携——日韓間で越境プロジェクト展開を相互支援

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左から:マクアケ代表取締役の中山亮太郎氏と、Wadiz(와디즈)共同創業者兼 CBO のチェ・ドンチョル氏(최동철、英名:Dong Choi)

クラウドファンディングサイト「Makuake」を運営するマクアケは12日、韓国の同業である「Wadiz(와디즈)」と提携関係を締結したことを明らかにした。今回の提携関係は、日本と韓国間におけるクラウドファンディングキャンペーンの相互支援を意図したもので、資本関係は伴わない。

Wadiz は2012年5月の設立、投資型クラウドファンディングプラットフォームとしては、韓国金融委員会から2016年1月に正式認可を受け、現在、株式型とリワード型の2種類のクラウドファンディングサービスを提供している。これまでに支援したプロジェクト総数は約2,500件、合計300億ウォン(約30億円)以上。Wadiz で資金調達した有名プロジェクトには、完全代替食の「Lab Nosh」、ポータブル空気清浄機の「Clair」、ハンドメイド自動車製造の「Mohenic Garages」などがある。今後はシンガポール、マレーシアなどへの海外進出を計画中だ。

Makuake と Wadiz の両プラットフォームでは、これまでにも、日韓双方のプロジェクトオーナーらが自ら、両市場でクラウドファンディングキャンペーンを立ち上げるケースは散見された。両社では、KOTRA(韓国貿易投資振興公社)などからの働きかけを通じ Makuake と Wadiz の接点が生まれ、今回、提携関係の締結に至ったとしている。両社は関係企業と協力し、日本から韓国へ、および、韓国から日本へのキャンペーン展開、説明文やバッカーとのやりとりの翻訳、現地ロジスティクス、決済手段の提供などでプロジェクトオーナーに支援を行う。

これまでに、Makuake から Wadiz への紹介事案では、中身が整理しやすい長財布「Tidy( Makuake / Wadiz )」や、マイナス電子と音波振動で歯垢を除去できる歯ブラシ「ソラデーリズム」( Makuake / Wadiz )などがある。また、日本をテーマに扱ったものでは、映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の韓国語版制作・配給、愛知県岡崎市のグローブメーカー SAEKI の「オーダーメイドグローブ」などが Wadiz 上に掲載されている。

マクアケ代表取締役社長の中山亮太郎氏は THE BRIDGE の取材に対し、日本発のプロジェクトの世界展開を支援する上で今後、特にアジア地域とのリレーション拡大を強化していく方向性を示唆。現在、Makuake がベータ版として持つ英語版だけではローカリゼーションとしては不十分なため、各国の潜在パートナーや提携関係条件に応じて組み方を柔軟に考え、Wadiz との関係のような事例を増やしていきたい、と語ってくれた。

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