Qihoo360(奇虎)が支援するフィンテックスタートアップ360 Finance(360金融)、アメリカで2億米ドル規模のIPOを申請

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中国のセキュリティ製品プロバイダー Qihoo Technology(奇虎科技)が支援するフィンテックスタートアップ 360 Finance(360金融)は、最大で2億米ドルにのぼる IPO を今年行うために米国証券取引委員会(SEC)に届け出を行った

2016年7月に設立され、2018年9月に親会社からスピンオフした 360 Finance はデジタル消費者金融プラットフォームである。このプラットフォームでは、優良債務者と十分なサービスを受けられなかった債務者に消費者金融製品を提供する。

このプラットフォームを通じた個人向けローンの貸付は、2018年9月末時点で合計2,250万件にのぼり、金額にして944億人民元(約1.6兆円)になる。

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累積ユーザの四半期平均成長率は、融資限度額の承認が下りたユーザで90.5% 、ローン設定を行ったユーザで80.4%に達している(いずれも同期間の数値)。同社の目論見書によると、未払い融資残高は347億人民元(約5,700億円)を記録している。

同社の最新の計画では、収益の40%をブランドのプロモーションに充てて長期的なブランド確立とマーケティング活動を促進するという。収益の30%は研究開発およびチーム内の人材育成に活用され、残りの30%は管理費や買収計画、戦略的投資などその他の一般的な企業活動に充てられる。

360 Group(360集団)の CEO で、360 Finance の会長でもある Zhou Hongyi(周鴻禕)氏は、同氏の子どもが保有する360の子会社 Aerovane Company Limited を通じて、14.1%の株式を間接的に保有している点も注目に値する。

Qihoo 360 が5年間にわたるアメリカ市場での上場を廃止して、2015年に93億米ドル規模の非上場化計画を立ち上げた2年後に今回の IPO 申請が行われた。同社は、母国でより正当な評価を受けたいと願ってアメリカの証券取引所から撤退した中国テック大手の1つである。同社は2017年11月、裏口上場で中国の A 株に復帰した

360 Finance の IPO は、中国テック企業の IPO 熱が市場全体とともに冷え込む中で行われる。

【原文】

【via Technode】

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