
Image Credit: VentureBeat/Chris O’Brien
2回目の開催となった年次 Techfugees Global Summit では、様々なスタートアップや起業家が再び顔を合わせて、テクノロジーで難民を救う方法について話し合った。
Techfugees は、起業家と難民を引き合わせて、母国を追われた移住者を助ける製品やサービスを開発する非営利団体である。同団体は2015年9月に産声を上げた。当時ヨーロッパでは、中東と北アフリカから国境を越えて突然殺到してきた数千人もの難民への対応に追われていた。
Techfugees の設立者兼議長で、TechCrunch の編集主任でもある Mike Butcher 氏はこの危機に心を揺さぶられ、テクノロジーコミュニティとして何かできることがないかを Facebook で呼びかけた。それ以来、CEO の Joséphine Goube 氏の日々の指揮のもと、同団体は難民をテーマとしたハッカーソンを主催しながら成長してきた。
2回目のサミットはパリの Station F で2日間にわたって開催された。今年のサミットでは次の5つの分野を対象としたスタートアップのプレゼン大会が開催された:医療、雇用、教育、ソーシャルインクルージョン、情報へのアクセス。
今年のファイナリストである25のスタートアップは、設立者の大半が女性で、なおかつ難民でもあった。
各分野の受賞者は、Techfugees とその NGO パートナーである HIAS および French Red Cross から1年間の専門サポートを受けられる。また、Amazon AWS と Stripe からも金銭的な支援を受けることになる。
5つのカテゴリの受賞者は次の通りだ。
1. 権利の確保と情報へのアクセス
2015年にドイツで設立された Integreat は、新たに現地に到着した難民と現地の官僚向けの、情報アプリとウェブサイトを開発した。現地当局者と、現地のサービスやリソースを利用したい難民の間での情報共有を促進することが同社の目標である。
2. 医療
Shifra はモバイルヘルスサービスを提供するとともに、医療サービスを利用する際に難民が直面している問題を研究者がより深く理解できる手助けをしている。オーストラリアに拠点を置き、2015年に設立された同団体は、現地の医療情報にアクセスできるアプリを複数の言語で提供している。
3. 教育
Antura and the Letters はシリアの子どもたちがアラビア語の読みを学習するのを支援し、心理社会面での健康状態を向上させるモバイルゲームである。アプリを開発したチームメンバーらはシリアやレバノン、ヨルダン、トルコ、イラク、エジプトの出身者である。
4. 雇用
TaQadam は視覚認識サービスをサポートするデータワーカーやアノテーターに対する高まる要求に応える求人アプリである。機械学習に取り込みやすいように、視覚映像に注釈を付けてくれる人材を求める市場は活況を呈している。同社は場所に関係なく難民でも行えるオンデマンドの注釈サービスを顧客に提供している。
5. ソーシャルインクルージョン
Refugees Are は、発信地や論調ごとにニュース記事やウェブコンテンツを解析することで、難民を取り巻く国民感情の解読と測定を行うプロジェクトである。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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