高齢者の独り住まいにはリスクが伴う。アメリカ国立老化研究所(National Council on Aging)によれば、年間で65歳以上のアメリカ人の4人に1人転倒しており、転倒が原因で19分に一人が亡くなっているという。尿路感染症(UTI)などの健康障害では、毎年約810万人が医師の診察を受けている。介護者や高齢者が心配すべき身体的問題だけではない。うつ病のような精神病は、年間推定700万人の…
高齢者の独り住まいにはリスクが伴う。アメリカ国立老化研究所(National Council on Aging)によれば、年間で65歳以上のアメリカ人の4人に1人転倒しており、転倒が原因で19分に一人が亡くなっているという。尿路感染症(UTI)などの健康障害では、毎年約810万人が医師の診察を受けている。介護者や高齢者が心配すべき身体的問題だけではない。うつ病のような精神病は、年間推定700万人の年上の成人に影響を及ぼしている。
技術者出身で元 IBM コンサルタントの Satish Movva 氏は30歳。彼は、機械学習を搭載したウエアラブルを使って、高齢者の QoL(生活の質)向上を狙うヘルステック・スタートアップ CarePredict をフロリダ州フォートラウンデールで設立した。同社によれば、CarePredict を使うことで、尿路感染症を臨床診断よりも最大で3.7日速く、うつ病を実診断よりも2週間速く予測できる、実用的な洞察を提供できるそうだ。また、高齢者コミュニティで転倒事故を25%減らすことができたという。
このような数値は、投資家に感銘を与えているようだ。CarePredict は2日、シリーズ A ラウンドで950万米ドルを調達したと発表した。Secocha Ventures、Las Olas Ventures、Startup Health Ventures がリードインベスターを務めた。2017年12月に実施した400万米ドルの資金調達、アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)からの助成金と合わせ、今回の調達を受け、同社の合計調達額は1,970万米ドルに達した。
CarePredict の web ダッシュボード Image Credit: CarePredict
CarePredict のプロダクト「Tempo」は、Moova 氏が言う ADL(日常生活の活動)を検出するセンサーとともに、タッチボタンセンサー、内蔵マイクやスピーカーを搭載した手首装着型ブレスレットだ。洗練された AI アルゴリズムの助けを借りて、Tempo は飲食、入浴、グルーミング、歯磨き、トイレ利用、ウォーキング、着席、睡眠などの ADL を検知できるほか、シールで貼付できるビーコンと無線通信し、これらの活動が部屋の中のどこで起きているのかを特定することができる。
Tempo は概ね7日間を費やして着用者の通常活動パターンを学習、継続的に収集したデータを、リアルタイム警告、web ベースのダッシュボード、セルフサービスによるレポートといった形でユーザに提供する。着用者が規制区域に侵入したり、トイレに長い時間いたりすると、緊急連絡が web、メール、SMS、CarePredict のモバイルアプリ経由で介護スタッフに通知される。普段行わない飲食などの状況は、毎日の健康レポートで特記事項として報告される。
CarePredictは現在、アメリカとカナダにある介護施設、認知症介護施設(メモリケア)、自律生活支援施設、在宅ケアで利用可能。まもなく、日本、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、中国、ドイツでもローンチする予定だ。高齢者施設チェーンの約10社が Tempo を使っているか、使う計画を持っていると Moova 氏は語った。
CarePredict は最近、Spring Creek Enterprise と複数年契約を交わし、Tempo のシステムをアラスカ州アンカレッジの新しい介護生活コミュニティに導入することとなった。SRI Management とは、フロリダ州オカラに完成した介護生活センターに関連し協業の約束を交わした。また、Tradition Senior Living は2つの施設で約600人の入居者に Tempo を使ったケアを提供すると発表した。
消費者版の Tempo は1月に開催される CES 2019 で正式デビューの予定で、数ヶ月中には市中で入手可能になる見込み。Moova 氏はコスト構造について明らかにしなかったが、CarePredict は潜在的投資家にかつて、Tempo センサー1台につき169米ドル、モニター料は月額で約30米ドルという価格を説明していた。
異端の CEO 孫正義氏が率いるソフトバンクの投資子会社 SoftBank Ventures Korea は、東南アジアや中国への注力を増すのにあわせ、新年にあたり改称した。新社名は SoftBank Ventures Asia で、近年、韓国以外の地域でも運用実績を増していることを反映してものだ。 2000年に設立された同社は当初、韓国のテックベンチャー投資に特化していたが、まもなく他分野のスタ…
SoftBank Ventures Korea が2017年にソウルで開催した Ventures Forum 2017。 Image credit: SoftBank Ventures Asia
異端の CEO 孫正義氏が率いるソフトバンクの投資子会社 SoftBank Ventures Korea は、東南アジアや中国への注力を増すのにあわせ、新年にあたり改称した。新社名は SoftBank Ventures Asia で、近年、韓国以外の地域でも運用実績を増していることを反映してものだ。
SoftBank Ventures Asia のポートフォリオは主に人工知能、IoT、ロボティクスに集中しており、管理下にある資産は110億米ドルを超える。これまでに10カ国の250社以上の企業に投資してきた。東南アジアにおける同社のポートフォリオ企業の一つが、インドネシアの E コマースユニコーン Tokopedia だ。ソフトバンクが運用するもう一つのビークルである Vision Fund は、Tokopedia の最近の11億ドル調達ラウンドで、中国のテック大手 Titan と共にリードインベスターを務めた。