
ピックアップ:3DEN raises $2M to create pay-as-you-go urban spaces
ニュースサマリー:新感覚のサードプレイスを生み出すことを目指している「3DEN(エデン)」は15日、シードラウンドにて200万ドルの資金調達を公表している。出資したのは大手小売りTargetの前Chief Strategy and Innovation OfficerのCasey Carl氏、Firbase創業者のAndrew Lee氏、InVisionのCEOであるClark Valberg氏など個人が中心。
3DENが定義するサードプレイスは、家でもオフィスでもなく、カフェのように「小時間立ち寄れるスペース(3DENはこれを”In Between Moments”と表現している)」。同社によれば30分あたり6ドルの価格帯で利用できるようにし、今後は企業向けの会員制度の拡大などを検討している。
カフェのような雰囲気を保ちつつも、デバイスの充電や高級感ある個室シャワールーム、仮眠室が付属するなど、気軽に立ち寄れる「リフレッシュ空間」を特徴としている。スペースには少数のスタッフのみが滞在し、基本的にはアプリだけで決済から利用まで全てを完了させることができる。第一号店は3月15日にダウンタウンの中心部にオープン予定。
話題のポイント:日本ではネットカフェやカラオケといったスペースがあるので、例えば短時間休憩したいと思った時にそういった場所を利用することも可能です。一方、海外にはカフェという「サードプレイス」は沢山ありますが、例えば居眠りしたりできるようなスペース提供はほとんどありません。そこに目をつけたのが3DENです。
サードプレイスと聞くと思い浮かぶのがStarbucksです。創業時より「人々が家やオフィスを超えて集まってくる場所」をサードプレイスと定義し、2018年5月には改めて「The Third Place Policy」を発表するなど、スタバというスペースをサードプレイスとして誰もが使える場所にするための強化を図ることを強調していました。
一番話題になったのは以下の文面です。
Any customer is welcome to use Starbucks spaces, including our restrooms, cafes and patios, regardless of whether they make a purchase.(商品の購入をしている、していないに関わらず、Starbucksのカスタマーである限り、誰でもスタバが提供するカフェ施設、庭、バスルームは自由に使えます)。
お金を払っているか否かに関わらず「Welcome」な姿勢を見せることで、本当の意味でのサードプレイスとしてのポジションを確固たるものにしょうとしています。(例えば、水だけオーダーするなどを拒否しないポリシーなどがありました)。スタバは従来のカフェという形態を超えた価値を生み出したのです。
3DENはよりビジネスサイドにフォーカスしたサードプレイスと言えるでしょう。今まで需要が満たせていなかった、都会における小時間過ごせる”オアシス”の建設です。コワーキングスペースまでもいかず、また、カフェほどオープンでもないまさに「サードプレイス」へのチャレンジには可能性を感じます。特に企業利用はビジネス的にも安定した収益をもたらしそうです。
また「サードプレイス」というものが人によって、そして場所によって普遍的に変わり続けるとするならば、3DENのような「リフレッシュ空間」への取り組みはもっと増えるのではないでしょうか。ニューヨーカーの反応が楽しみです。
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