スポーツの感動体験は次の時代へーー平成ラストイヤーを振り返る「社会変化、その時」/日本フェンシング協会会長 太田雄貴さん(リレーインタビュー)

20190206_relay_ogp_prtimes.003.png

本稿は最新PR動向が学べるコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」編集部による寄稿。2月12日にヒルトン大阪にて開催されたイベントには、日本フェンシング協会会長で、自身もフェンシング世界大会において日本人初の金メダルを獲得したさんが登壇しました

本稿では「平成で「認知」が大きく変わったきっかけ」について、3回に渡ってお届けしてきました。今回、最終走者となる太田さんには、前回に引き続き、世の中が大きく変わった出来事とその理由をお伺いいたします。(太字の質問は全て筆者。回答は太田さん)

平成は、ITの発展によってあらゆる業界で革命が起き、例に漏れずスポーツ業界も大きく変化しました。この流れは、どこから始まっているのでしょう?

太田:元をたどると、昭和の時代に大きな転換点がありました。

具体的には?

太田:1984年に開催されたロサンゼルス五輪です。当時のサラマンチIOC会長を筆頭に、オリンピックは商業化に成功、いわゆる黒字化を達成しました。その後、商業主義化の波は世界中に、そしてあらゆる競技に広がっていきます。

オリンピックで現在のような経済効果が見込まれるようになったのは、ロス五輪がきっかけになっているんですね。日本への影響はどうだったのでしょう?

太田:最大の変化は世間の空気感が、「体育からスポーツへ」アップデートされたことです。従来日本では、身体教育の「体育」という概念が主流でした。それが、良い意味でよりカジュアルな「スポーツ」の浸透に繋がっていったと感じます。

日本選手たちのオリンピックでの活躍と、彼らのプロフェッショナリズムを伝えるメディアの発展もこの流れを後押ししたと思います。

メディアというと、テレビやスマートフォンで観戦できるスポーツはこの数十年で多様化しました

太田:昔は「スポーツといえば野球」でしたよね。今はテレビ離れの潮流もあり、スマートフォンの画角に合わせた戦い方次第で、マイナースポーツにもスポットライトが当たる時代になりました。そこには敷居を下げたカジュアルさが必要で、それをスポーツ団体自身が容認できるかどうかは分かれ目になると思いますね。

トッププレイヤーたちの内面にフォーカスしたスポーツコンテンツも増えましたね。ぐっと身近に感じます

太田:スポーツは、仮にルールが分からなくても感動させる力があります。僕はアメフトとか好きなんですが、フォーメーションとか細かいルールまで知らなくても、見ていて本当にすごいなと思いますよ。スポーツは崇高であろうとし過ぎず、それくらいのコミュニケーションでもいいんじゃないかな。

今後のIT×スポーツの可能性は、どういったところにあるのでしょう?

太田:メインストリーム化するには課題があると思いつつも、AR(拡張現実)は可能性があると思います。テクノロジーが進化していく中でAR自体が生活に馴染めば、あとはスポーツ界がいかに活用できるかでしょう。

僕たち日本フェンシング協会も、ベンチャー精神をもってどんどん新たなチャレンジをしています。「MORE ENJOY FENCING」などビジュアライズドにこだわるのもその一つですね。

これからの時代は、スポーツ界にとって追い風になるはずなので、従来のやり方に捉われず、どんどんアップデートしていけば、より非日常的な感動体験を提供していけると思います。

太田さん、ありがとうございました!