Amazonが連邦税を2年連続「0ドル」で済ませた方法とそのワケ

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ピックアップAmazon will pay $0 in taxes on $11,200,000,000 in profit for 2018

ニュースサマリー:米国税制・経済研究所(Institute on Taxation and Economic Policy:ITEP)によると、Amazonはあらゆる減税措置を適用し、2018年における連邦税を「2年連続0ドル」で済ませていたことが明らかとなった。Amazonの2018年における収益は約112億ドルで、米国では2018年から適用となった新税法「Tax Cuts and Jobs Act」により法人税が最高35%の累進課税から一律21%に引き下げられている。

これに対し、Amazonの広報担当者は米国および事業を展開する全地域にて過去3年間、26億ドルの法人税および34億ドルの税費用(tax expense)を支払っているとの声明を公表している。

話題のポイント:以下はITEPによって公開された、Amazonの過去10年における法人有効税率です。これを見る限り、2018年におけるAmazonの法人有効税率は約112億ドルの収入に対してマイナス1.2%となっているため、実質1億2900万ドルの還付を受けていることがわかります。また、2017年度においてもAmazonは56億ドルの収入に対してマイナス2.5%の払い戻し、つまり1400万ドルの還付を受けているようです。

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Source: Institute on Taxation and Economic Policy analysis of SEC filings

この状況に対して米国議員のバーニーサンダース氏は以下のツイートをしていますが、まさにその通りです。

「If you get paid the $119 annual fee to become an Amazon Prime member, you paid more to Amazon than it paid in taxes.(Amazon Primeの年会費$119を払った時点で、Amazonが支払っている税金より多くをAmazonに支払っていることになる)」。

ちなみにこれは別にIT関連企業全てがそうというわけでなく、例えばMicrosoftはAnnual Reportにて、2018年の法人有効税率が55%だったことを公表しています。では、具体的にAmazonはどのような節税策を講じたのでしょうか。

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Credit: Microsoft Annual Report

Business Insiderによるとどうやら「Supreme Court case of 1992」の判例を利用している模様で、この判例では州政府によるE-Commerce企業の売上税の徴収を禁じており、これによりAmazon含むサードパーティー側は無課税にて販売できるようになっているそうです。

ただ、2017年頃より法改正の動きがあり、この状況は今後変わる可能性が高いとも言われています。今まさにAmazonが第二のHQを模索中なのにはこの背景があるようです(企業誘致による税の優遇)。

また「Amazonは税金逃れで企業としての責任を果たしていない」という意見がある一方、収益をR&D(研究開発)に多く回して雇用を増やしているという面では「相対的に見て、米国経済に大きく貢献している」といった意見も目立ちます。

自国経済に一番貢献できる(この場合はR&Dに対して投資することを)選択し、合法的に納税を回避するというのは戦略的に間違ってるとは思えません。EC企業という立場を上手く利用したAmazonが米国よりも一枚上手だったと言えるのではないでしょうか。

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