ソフトバンク支援「Grab」 vs Tencent(騰訊)支援「Go-Jek」、東南アジアで勃発するオンデマンド配車戦争

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Photo by Pixabay on Pexels.com

ピックアップThailand’s food delivery battle heats up as Go-Jek arrives 

ニュースサマリー:インドネシアを中心に配車サービスを展開するGo-Jekは28日よりタイでの運営を正式に開始したと発表した。タイにおけるサービス名称は「Get」。昨年より、バンコクの特定地域のみで試験運用は始まっていた。

Go-Jekは車の配車だけでなく、東南アジアならではのバイクタクシーの配車や食事のデリバリー、荷物の運送など多岐にわたりカバーしている。タイでは、配車サービスに加えフードデリバリー・配達サービスも提供していく。

話題のポイント:以前取り上げたように、米国ではUber対Lyftというマーケット構造が成り立っています。Uberがシェアを7割持つというデータもある一方、近年の成長率はLyftが上回るなど、両者攻防を繰り返してる状況です。

これを東南アジアというバトルフィールドに目を向けると、UberとLyftの影は少なく(Uberは一部の国で運営、Lyftは米国のみ)絶対的王者の位置にはGrab、そして挑戦者がGo-Jekという形となっています。

ここで着目したいのは両者の投資家構成です。ASEAN Todayがまとめていた図があったのでお借りしてみると、Grabは中国からDiDi(滴滴)、日本からソフトバンクやトヨタ、韓国からヒュンダイ(現代)をメジャー投資家として受け入れています。対するGo-Jekは、中国のTencent(騰訊), JD.com(京東)、米国からGoogleらが参加している状況が分かります。

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Credit: ASEAN Today

少し古い情報ですが、Tech in Asiaの2017年における調べでは、Go-Jekの本拠地であるインドネシアでGrabのユーザー数は130万人に達し、Go-Jekはその半分の約65万人でした。

今回新たな市場を開拓し始めたGo-Jekは、他の面でもGrabとの差別化を図ろうとしています。例えば、先日インドネシア国内航空キャリアのGaruda Airlines (ガルーダ航空)とロジスティクス面でパートナシップを結んだことを発表し、物流面でのアップデートを仕掛けています。加えて、先月にはフィリピンのブロックチェーン関連事業者Coins.phを買収し、同社のペイメントサービス「Go-Pay」の強化を狙っているとされています。

 

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