Starbucks(星巴克)か、それともLuckin(瑞幸)か? 地元消費者の評価で、軍配はどちらに?

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中国のコーヒーチェーン店 Luckin Coffee(瑞幸珈琲)は、赤字経営やインターネット中心のマーケティング戦術を使い中国全土に急速に広まったが、アメリカでの IPO に向けて準備中とされ、監視が厳しくなっている

このブランドの現金燃焼マーケティング戦略が、Luckin の中国市場での立場を維持させうるか、それとも成熟する前に燃え尽きるかと疑問を投げかけるアナリストもいる

Luckin Coffee は2018年1月以来、2,000店以上の店舗をオープンしたが、同年の第1~第3四半期間(9ヶ月通算)で8億5,700万人民元 (約142.2億円)の純損益を計上した。だが、この会社の驚異的な拡大は止まらない。Luckin は Starbucks を超えるため、今年約2,500店の新たな中国店舗をオープンする予定なのだ。

中国の消費者は、便利で低価格な Starbucks の代替と銘打ったこのブランドを好意的に受け止めている。

上海でのインタビューで、ある男性は、彼自身はまだ Luckin のコーヒーを飲んだことはないが、Luckin は Starbucks とは別の顧客層を開拓したと思う、と答えた。

Starbucks と Luckin のコーヒーは全く別の商品だと思います。

Starbucks は質を大事にし、体験を売りにしていますが、Luckin Coffee は便利で値段が手ごろです。

Luckin の運営は、Luckin Coffee で CMO を務める Yang Fei(楊飛)氏考案の「核分裂マーケティング(裂変営鎖)」戦略と呼ばれるコンセプトに依拠している。この手法は多くのユーザを集積するために、インターネットトラフィックの保存と維持に重点を置く。Luckin での購入はすべてアプリ内で行われ、大量購入したり新しい客を紹介したりすると特典サービスがもらえるような仕組みになっている。

Yang 氏の核分裂マーケティング戦略によると、多数のユーザを獲得した後、トラフィックを「注ぐ」ステップに移る。具体的には、友達とのシェアを報奨するクーポンを常に配ることによってこれを行うのだ。

Luckin Coffee は2018年12月に、Joy Capital(愉悦資本)や Tai Chung Capital、Singapore Government Investment Corporation (GIC)、CICC(中国国際金融)、その他の参加企業からシリーズ B ラウンドで2億米ドルを調達し、バリュエーションが22億米ドルになった。Sohu (搜狐)の記事によると、前述の会社すべてが CAR(神州優車)の元投資主だったとのことだ。一方で、Luckin の CEO である Qian Zhiya(銭治亜)氏と会長 Lu Zhengyao(陸正耀)氏は両氏とも CAR 出身だ。Q&A サイト「Zhihu(知乎)」のユーザは、これを「内々の取引」と揶揄する。

このローカルブランドが Starbucks を追い越せるかどうかということになると、中国のコーヒー愛好者の中には楽観的な人もいる。

あるコーヒー愛好者はインタビューで次のように答えた。

Luckin がこのブランドをどう位置づけるか、そして将来どのように発展していくかによります。

何でも可能だと思います。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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