ライドシェアはリワード7倍、スタートアップ特化型クレジットカード「Brex」が1億ドルをデット調達ーー2017年のYC卒業生

SHARE:

Capture

ピックアップBrex, the credit card for startups, raises $100M debt round

ニュースサマリー:サンフランシスコ拠点のフィンテック企業「Brex」が4月16日、1億ドルの資金調達を発表した。Barclay Investment Bankからのデットによる調達。同社はスタートアップに特化した法人クレジットカードを提供。スタートアップ向けのリワードプログラムや、クレジットスコアを必要としない審査基準などが特徴。

2017年にY Combinatorのアクセラレータープログラムを卒業している。また、先月にはYCアクセラレータープログラムに参加していたブロックチェーン企業の「Elph」をDemoDayの1週間前に買収するなどしている。

話題のポイント:スタートアップにとっての鬼門が法人クレジットカードの作成です。例えば国内では時間もさることながら、創業間もない企業には審査が通らないなどの問題がよくありました。Brexが提供するクレジットカードは、個人のクレジットスコアーやデポジットを必要としないため、スピーディーに利用を開始することが出来ます。また、認証後には即バーチャルカードの利用が可能となり、3〜5日の間にカードが届くそうです。

ただこの程度のサービスでスタートアップ向けというだけでは差別化はできません。彼らの特徴は特出したリワードプログラムにあります。

Capture.PNG

例えばライドシェアサービスでは通常獲得できるポイントから7倍、旅行では4倍、レストランでは3倍、サブスクサービス利用で2倍獲得できる設計になっています。まさに、スタートアップ特有のエリアにおける利用を想定したエコシステム設計といえます。

また、スタートアップ企業が利用する頻度の高い企業とのパートナーシップを進めており、一例を挙げるとAWS, WeWork, Google Ads, Zendesk, DoorDashなどで決済を利用することで割引を受けることが可能です。WeWorkの場合であれば、6か月間15%オフで入居することもできます。

また、頻繁に発生するビジネストリップについては、プラットフォーム内にBrex Travelといった旅行に関わる全てをひとまとめに予約・管理できるサービスを組み込み、圧倒的なシームレスな体験を提供しています。

同社のポイントもそのまま利用できるため利便性も高そうです。リワードの倍率による「お得感」はもちろんですが、こういう導線設計ひとつで差別化要因になるという事例ではないでしょうか。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録