中国のインダストリー4.0を牽引するSaaSスタートアップBlack Lake(黒湖科技)、シリーズBラウンドで1億5,000万人民元(約24.2億円)を調達

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Black Lake(黒湖科技)創業者で CEO の Zhou Yuxiang(周宇翔)氏
Image credit: Blue Lake(黒湖科技)

中国のビジネスソフトウェアプロバイダーの Black Lake(黒湖科技)は6日、GSR Ventures と Bertelsmann Asia Investments(BAI)がリードするシリーズ B ラウンドで1億5,000万人民元(約24.2億円)を調達したと発表した

上海を本拠とする同社は2016年以降、製造業向けのデータ分析ツールなどソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)のアプリケーションを販売している。同社によると、クラウド対応の Manufacturing Execution System(MES)なら2ヶ月で、製品ラインの新規購入や更新をせずにインストールできるという。また、生産サイクルやペナルティ率を平均で35%下げられるともコメントしている。

同社広報担当は6日、2018年4月までに契約した20社ほどのクライアント企業はすべて契約を更新したと TechNode(動点科技)に伝えた。クライアントには中国国営企業の China Resources Group(華潤集団)のほか、世界的なビール醸造の Anheuser-Busch InBev、マクドナルドなどが含まれる。

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北京を本拠とするプライベートエクイティ企業の GSR Ventures は、配車大手の Didi(滴滴出行)やフードデリバリーサービスの Ele.me(餓了麼)を初期段階から支援してきた。GSR 以外にも、GGV Capital(紀源資本)や Zhen Fund(真格基金)といった世界的に著名な投資家がフォローオン投資に帰ってきた。

GGV Capital プリンシパルの Joshua Wu(呉陳堯)氏は TechNode に対し、次のように述べた。

Yuxiang 氏とそのチームは、中国製造業のデジタルアップグレードでさらに大きな役割を果たしてくれると信じています。それが、投資を続けている理由です。

Black Lakeによると、2018年の売上高は4,000万人民元(約6.4億円)だった。年間製造額1億人民元(約16.1億円)のクライアントの場合、毎年15万〜25万人民元(約241.6万円〜約402.6万円)の利用料を支払っているという。同社設立者兼 CEO の Zhou Yuxiang(周宇翔)氏はダートマス大学卒で、かつてカナダの政府系ファンドで投資マネージャーを務めていた。

中国は、クラウドサービスとインテリジェントツールの力を借りて、製造大手をスマートファクトリーに変革することで同国製造業のリーダーシップを保持する取り組みに余念がない。2017年に国務院から発表された文書の中で、北京市は2020年までに少なくとも30万社に対し、製造管理、品質維持、素材追跡で業界向けインターネットサービスを取り入れるよう圧力をかけるだろうとしている。

中国工業情報化部(MIIT)のチーフエコノミスト Wang Xinzhe(王新哲)氏は先月、記者向けのイベントで、ワークフロープロセスを効率的に生み出すために製造サービスがデータセンターにホストされ、分析がなされるクラウド工場も2019年における政府の注力事項だと語っていた。国務院によると、政府は約100万もの工場オーナーに対し、2025年までにローカルサーバではなくクラウドにデータを移行させるよう要請している。これは、よりスマート、よりセキュアで、安定した工場を構築する幅広い取り組みの一環である。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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