非ディープラーニング系AIで製造業の検査・検品を効率化するアダコテック、UTECとDNX Venturesから4億円を調達

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Adacotech が出展したセキュリティモニタリングの事例
Image credit: Adacotech

適応学習型認識方式の AI(人工知能)を開発するアダコテックは1日、東京大学エッジキャピタル(UTEC)と DNX Ventures から4億円を調達したと発表した。同社は、いわゆる「産総研スピンオフ」のスタートアップで、産業技術総合研究所で開発された特徴抽出法を開発。一般的なディープラーニングでは、異常検知のために正常品と異常品の両方を教師データとするのが一般的であるのに対し、アダコテックのソフトウェアでは正常品のみを教師データとして、正常を逸脱したものを異常として網羅的に検出する。

ディープラーニングに必要な膨大な教師データを必要としないため、フィージビリティスタディに着手しやすい、PDCA を迅速に回しやすい、計算処理の負担が小さいため処理速度が速い、未学習や前例の無い異常も精緻に検出するアルゴリズムを実現できるという。ユースケースとしては、旧三井造船のグループ会社である三井 E&S マシナリーでトンネル覆工検査サービスに導入されたり、自動車部品メーカーの製造ラインに導入されたりしている。

Image credit: Adacotech

レーダーを照射して得られた画像を元に非破壊検査する場合などでは、担当者が目を皿のようにして異常個所を探していたのは効率が悪い。アダコテックの AI を使って画像を一次スクリーニングすることで、人が集中して見る必要がある部分だけを明らかにし、生産性が飛躍的に向上するという。また、自動車部品メーカーでは労働集約型の業務が多く残る一方、製品品質の担保に求められる要求が厳しいため(部品一つ一つは小さいものの、自動車製造のサプライチェーン全体に及ぼす影響が大きいため)、アダコテックの AI が採用されるシーンが増えているようだ。

今回のラウンドは、アダコテックにとって初の外部からの資金調達となる(ただし、これまでに投資会社のフィンテックグローバルから出資を受けている)。同社は2019年に開催された FUJITSU ACCELERATOR で優秀賞を獲得。第7期採択スタートアップとして、今夏にも富士通との協業事業創出を目指している。同社では調達した資金を使って、経営メンバー・エンジニアなどを中心にチームを強化、プロダクト面では、自社特許に基づくグレードアップに向け研究開発を進め、サービス SaaS 化の準備・提供を進めるとしている。

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