移動しやすいヨーロッパ、企業にとっては大きな「負担」にーー出張管理の「TravelPerk」が6000万ドル調達

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TravelPerk Medium

ピックアップ:Corporate Travel Booker TravelPerk Raises an Extra $60 Million 

ニュースサマリー:ビジネストラベルSaaS「TravelPerk」は18日、シリーズCにて6000万ドルの資金調達を発表した。投資家にはKinnevik、Partners of DST Global、Target Global、Felix Capital、 Sunstone、 LocalGlobeが同ラウンドに参加している。

同社は企業向けに出張の予約・管理マネージメントプラットフォームを提供するトラベルスタートアップ。あらゆるOTAサイトの情報を一まとめにした上で、法人限定で航空券からホテルまでの予約サービスを提供。請求書などの発行も同プラットフォーム上で完結し、データの管理も容易なため透明性が高いことも大きな特徴だ。TravelPerkは現在スペイン・バルセロナに本拠地を置き、ヨーロッパの法人を主なターゲットとしている。

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話題のポイント:ヨーロッパは陸続きなことや、EU加盟国であればビザの発行が不必要なことから比較的、移動が容易な地域であるという印象です。そんな実際の「移動」とは違い、そこに至るまでの予約作業は、実は企業にとって大きな負担になります。

同社の説明によれば、各国ごとの言語や通貨の違いに留まらず、税制の違いやデータ保護の観点など企業における諸問題を考慮したバックオフィス業務が必要になるのだそうです。それをクラウドで解決するのがTravelPerkで、出張に関わるバックオフィス業務の一括管理を提供しています。

例えば管理画面にはフライトやバス、ホテルのみに限らず、タクシーやレンタカーなど現地で利用したもの全てを一まとめに請求・管理することができるようになっている、といった具合です。なお、出張管理クラウドについては以前こちらの記事でもご紹介しています。

<参考記事>

出張を安く抑えた社員にAmazonギフト券をプレゼント、急成長の出張管理「TripActions」がa16zから2億5000万ドル調達

私たちが日常的に、ExpediaなりAirbnbなりをアプリを通して管理することは容易ですが、企業となると支出管理までが一つの作業になってきます。そのため、上記のようにバックオフィス業務部にとっても、実際の旅行者にとってもプラスな材料となっていることが分かります。

同社もHP上で強調してますが、あくまでAIなどの最新トレンドを追いかけるのではなく、オペレーションの最適化を求めていくと説明しています。今回の調達資金は、主に24時間体制のカスタマーサービスなど、インフラの再整備に用いられるそうです。

こういったトラベルマネジメントSaaSは、企業だけでなくよく使途支出金が不透明とされる政府機関・地方時自体などの「視察」とも相性がよさそうに感じます。そうした観点では、企業における支出と技術的な面でブロックチェーンの組み合わせは意味のある利用の仕方なのかもしれません。

悪意のある支出は目立つということもありますが、その企業がどういった「お金」の使い方をしているのか、そのマイクロファイナンスにおける「性格」を誰でも見れる環境というのは案外面白い発想なのではないでしょうか。

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