スマホゲーム「クラッシュフィーバー」「ジャンプチ ヒーローズ」運営のワンダープラネット、海外展開強化に向けクールジャパンから資金調達

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Image credit: Wonder Planet

<26日午前11時30分更新> 調達金額に関する記述を追記。

スマホゲーム「クラッシュフィーバー」や「ジャンプチ ヒーローズ」などを開発・運営するワンダープラネットは26日、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)から資金調達したことを明らかにした。調達金額は最大で10億円。ワンダープラネットではゲームコンテンツの海外展開を強化する上で、クールジャパン機構との理念一致が見られ、今回の資金調達に至ったとしている。

同社はこれまでにユナイテッド、JAFCO、グローバル・ブレイン、ニッセイ・キャピタル、SMBC ベンチャーキャピタル、日本アジア投資、みずほキャピタル、Eight Roads Ventures Japan、日本ベンチャーキャピタル、LINE から出資を受けている。これまでの累積調達額は約30億円。

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名古屋と東京・渋谷を拠点にするワンダープラネットの創業は2012年。自社タイトル「クラッシュフィーバー」、週刊少年ジャンプ創刊50周年記念タイトル「ジャンプチ ヒーローズ」、スクウェア・エニックスとの協業タイトル「VALKYRIE ANATOMIA -THE ORIGIN-」などを展開している。

いずれのタイトルも、英語版・中国語繁体字版をリリース。台湾や香港など親日的な市場に向けたローカライズやカルチャライズ、現地ユーザを集めたオフラインイベントの開催などでユーザエンゲージメントを高める努力などが功を奏し、ユーザを伸ばしている。今年5月に台湾で開催したクラッシュフィーバー中国語繁体字版3周年を祝うイベントには、ユーザが1,000人集まったそうだ。

Image credit: Wonder Planet

ワンダープラネットには現在、ゲームタイトルとしては3つの柱が存在するが、プロダクトごとにリージョンの相性があり、どの地域でどのような種類のコンテンツが流行るかには、さまざまな要素が関与するという。同社では各市場向けのローカライズやカルチュアライズを効率的に行うため、日本のゲームコンテンツ開発に関心の高いデベロッパやマーケッターを海外現地から採用、渋谷から約30名体制のチームが海外配信に専念している。

ワンダープラネットでは今回の資金調達の使途として、既存3タイトルの開発強化、海外マーケティング強化に加え、年内には数タイトルほどを追加でリリースすることを目標に掲げている。

今回の調達により、ワンダープラネットの資本準備金を含んだ資本金は30億円を超えることになるが、同社では開発から発生した繰越利益剰余金のマイナスを引き当て、資本金を1億円に減資する。

減資の理由について、ワンダープラネット取締役 兼 執行役員 CFO 佐藤彰紀氏によれば、資本金増大により外形標準課税による(売上や利益に比例しない多額の)事業税納付が必要になること、また「これまで J カーブの掘ってきたフェーズだったが、その終わりが見えた(佐藤氏)」のを受けて、本格的成長フェーズへの移行に向けた財務健全化の意図があるということだった。

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