ドイツで進化型バスサービス提供のFlixBus、評価額20億米ドル超で5億3,100万米ドルを調達——AIモビリティ基盤に相乗りオプションを追加

SHARE:
左から:FlixBus 共同創業者 Daniel Krauss 氏、André Schwämmlein 氏、CEO Jochen Engert 氏
Image credit: FlixMobility

ドイツの FlixMobility がベンチャーキャピタルラウンドで5億3,100万米ドルを調達し、これによって同社の評価額が20億米ドルを超えたと報じられた。

同社は18日のプレスリリースで大規模な資金調達ラウンドを行ったと発表したが、額は明らかにしなかった。しかしながら情報筋がロイターに述べたところでは、その額は5億3,100万米ドルであり、これは今年のドイツ企業の中では群を抜いて最大のものである。

同社はヨーロッパでは至るところで目にする FlixBus ネットワークでよく知られており、そのライムグリーンの車両はデータドリブンなプラットフォームと人工知能を使用してスケジューリングされた低価格な路線を提供している。最近では、同社は列車にも進出し、またバスサービスをアメリカにも拡大させている。FlixBus は今回の資金を使い FlixCars.mm というカープール(自動車の相乗り)サービスを導入し、ビジネスの領域を拡大させる計画。

声明の中で FlixMobility の CEO 兼設立者 Jochen Engert 氏はこう述べている。

2013年にドイツのスタートアップとして始まった弊社は、ヨーロッパとアメリカで数百万人の移動方法を変え続けている力強いプラットフォームになりました。

FlixMobility は交通業界のスタートアップがデータや人工知能、自動化を使い、古臭い旧式の交通サービスにディスラプションを起こしている好例である。路面電車やバスといったサービスの自由化のルールを活用し、FlixMobility は現代的な競争力を発揮している。

Image credit: FlixMobility

しかし FlixMobility だけではない。同社は運営中の国営事業者といったライバルや、国営の低価格バスサービスを買収したフランスのカープール企業 BlaBlaCar のような、スタートアップ界隈の競合と対峙している。

両社ともに拡大中のユーザベースからもたらされるデータや AI にますます頼るようになってきており、それらを路線計画、運転手と乗客のマッチング、様々な交通手段を使った旅行計画の最適化といったことに使用している。

列車やバスの路線を補完するために、FlixCar は都市間およびバスや列車の路線間で乗客を運ぶカープールという選択肢を提供すると FlixMobility は述べている。これは BlaBlaCar が提供しているカープールサービスと似たコンセプトだ。

さらに、FlixMobility は南アメリカとアジアで2020年にローンチする予定。また一方では、加盟国が競争を認めるよう求める EU の新たな規則の実施を受けて、同社は FlixTrain のサービスも拡大させている。

競争が激化している中で、資金調達のメガラウンドは間違いなく役立つだろう。このラウンドはグロースエクイティ企業の TCV と Permira が共同でリードし、長期的投資家の HV Holtzbrinck Ventures ならびに European Investment Bank からの資金も含まれていると同社は述べている。

同社は29ヶ国でサービス展開しており、2018年には4,500万人が FlixBus と FlixTrain を利用したという。従業員は1,300人である。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する