家具のサブスク「airRoom」運営、プレシリーズAラウンドで総額1億円を資金調達——サブスク、C2Cビジネスの有識者らが参画

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2019.7.24

Elaly の経営陣と投資家の皆さん。中央が大藪氏
Image credit: Elaly

家具・インテリアのサブスクリプションサービス「airRoom」を運営する Elaly は24日、プレシリーズ A ラウンドで資金調達を実施したと発表した。同社にとっては、2018年10月に実施したシードラウンド(推定数千万円を調達)に続くものだ。

このラウンドに参加した投資家は、次の通り。

  • オークファン
  • コロプラネクスト
  • 名古屋テレビ・ベンチャーズ
  • F Ventures
  • Japan Angel Fund
  • 柄沢聡太郎氏(元メルカリ執行役員 CTO)
  • 児玉昇司氏(ラクサス・テクノロジーズ 代表取締役社長)
  • 坂本達夫氏(Smartly.io Sales Director, Japan)
  • 西江肇司氏(ベクトル 代表取締役社長)
  • その他匿名の個人投資家3名

Elaly では調達した資金を使って airRoom 事業の加速を狙う。サービスやビジネスをスクラッチで開発することににこだわらず、他のスタートアップの acqu-hire や事業買収なども積極化させる構え。THE BRIDGE の取材に対し、「モノのサブスクで、最短上場を狙いたい」と創業者で CEO の大藪雅徳氏の鼻息は荒い。今回の投資家の顔ぶれにもそれを意図した戦略が見え隠れする。キーワードを挙げるなら、新興バーティカルにおけるドミナントプレーヤー、サブスクモデルの知見活用、地方における露出拡大だ。

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株主の顔ぶれと戦略

フリーランサー向けプラットフォームならクラウドワークスとランサーズ、料理動画なら kurashiru と DELISH KITCHEN など、成長著しい新興バーティカルには、必ずと言っていいほど二大勢力が存在する。プレーヤーがただ1社ではないのは市場需要があることの証であるし、互いが競い合うことでユーザの注目を集めることができる。

家具サブスクの分野では、airRoom と CLAS の二社が先頭を走っていると見てよいだろう。投資家のうち、Japan Angel Fund は運用者としては Sevenwoods Investment であるが、投資先の選定にあたってはスカウターである成田修造氏(クラウドワークス COO)が深く関与しており、成田氏の知見が活かせることを期待したい、と大藪氏は語った。

児玉昇司氏は高級バッグのサブスクサービス「Laxus」を経営しており、今回の出資に参加したコロプラネクトは Laxus の株主でもある。また、坂本達夫氏はカメラ・家電・ガジェットのレンタルサービス「Rentio」の出資者だ。Elaly は airRoom の取扱商品を現在の家具やインテリアから将来は家電などにも広げる計画を持っており、メルカリ出身の柄沢聡太郎氏も含め、サブスクサービス、レンタルサービス、C2C ビジネスのエキスパートの知見が活用できるメリットは大きい。

F Ventures と名古屋テレビ・ベンチャーズには、地方における広報力や露出拡大を期待するそうだ。airRoom は現在、関東一都三県と大阪府でのみ提供されているが、これを少なくとも F Ventures が拠点を置く福岡県と、名古屋テレビのある愛知県には人日中に拡大する模様。年内には、有料会員5万人(無料会員も入れると20万人)の達成を目指す。

<参考文献>

データで家具メーカーを支援、将来は「家具版のラクスル」を目指す

Image credit: Elaly

サブスクリプションサービスにおいては、チャーンレートをどうやって下げるかが課題の一つとなる。Elaly では @LINE を使ったインテリアのコーディネイトサービスを行っているが、コーディネイトを使って家具を借りるユーザと、コーディネイトを使わずに家具を借りるユーザでは、圧倒的にチャーンレートが異なるのだとか。言うまでもなく、コーディネイトを使って家具を借りたユーザの方が、長期間にわたってサービスを利用し、一度借りた家具を愛用してくれるのだという。

このため、Elaly では今後、コーディネイトサービスを充実させる。今春、3D パースでインテリアを提案する「KAREN(カレン)」が airRoom にとって競合にあたる CLAS と提携したことを報じたが、airRoom では同様のサービスを自前で持つことを検討しているようだ。内製でスクラッチ開発するか、先に書いたような、類似した技術を持つスタートアップを買収するなどして手に入れるかについては不明だ。

顧客データ、商品データ、不動産データ(家具が置かれる住居種類等のデータ)を取得し、コーディネイトに注力していく。家具メーカーは通常、小売業ではないので顧客についての情報を持っていない。airRoom では、消費者のニーズを示すデータを家具メーカーにフィードバックしていくので、彼らにとっても、市場から期待される製品の開発努力に繋がる。(大藪氏)

以前の記事も書いたが、CLASsubsclife などと異なり、airRoom が家具メーカーの遊休資産を活用していることも興味深い。家具メーカーにとっては、余剰在庫のマネタイズ、新商品のマーケティングチャネル、新商品開発のための消費者ニーズの把握が可能になる。一方、Elaly にとっても商品調達のためのファイナンスが軽微で済むため、キャッシュフローを抑えた状態で事業展開が可能だ。

airRoom の将来像の可能性として、大藪氏は「家具版のラクスル」という言葉を口にした。ラクスルは一言で言えばファブレスな印刷会社であり、基本的には自前の印刷設備を持たずに、全国にある印刷会社の工場のダウンタイムを有効活用・ネットワーク最適化する形で運営されている。これに照らせば、airRoom は自前ブランドで家具を提供し、絶大な消費者ニーズを示すデータをもって、インテリアメーカーや家具工場をネットワーク化する、ということだろう。今後の展開に期待したい。

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