セラピストのためのWeWork「Alma」が800万ドル調達ーー作家から大麻まで、専門コミュニティ・スペースビジネスの可能性

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ピックアップ:Alma, the WeWork for therapists, gets $8 million to draw ‘soulfulness into the world’

ニュースサマリ:ニューヨークに拠点を置くメンタルヘルスケアのスタートアップAlmaは6月21日、Tusk Venture Partnersをリード投資家として800万ドルを調達した。

同社は精神科医や心理学者、臨床心理士などメンタルヘルスケアに関わる専門家に月額制のコワーキングスペースを提供している。日程調整や請求など専門家の業務を効率化するツールや、患者と専門家のマッチングも実施する。Almaは物理的なスペースが必要ない専門家に対してもコミュニティメンバーシップサービスを提供しており、患者とのマッチングやイベント、請求サービスへのアクセスが可能になっている。

話題のポイント:ただ物理的な場所を提供するだけではなく、コミュニティ形成を提供価値にするのが今回紹介するAlmaです。世界的にコワーキングスペースの数は急増しており、2022年までに3万箇所に達すると推計する情報もあります。

コワーキングスペース運営は、物理的空間の提供というだけでは単なる不動産転貸サービスに留まり、ビジネスモデルの革新性に欠けます。WeWorkが黒字化への道が見えず、ビジネスモデルの不確実性が疑われているのもこのサービスの難しさでしょう。

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そこでコミュニティというユニークな価値を創出すべく、出てきた新たな潮流が特定の属性の人に特化したコワーキングスペースです。働く女性のためのThe Wing、インディーズゲーム開発者のためのGlitch City、作家のためのThe Hatchery Press、大麻業界で働く人のためのParagon Spacesなど様々なコンセプトが生まれています。

こうした空間ではイベントや顧客基盤の共有を通して、ビジネス的なメリットを享受できるようなコミュニティ形成が行われています。以下はAlmaの例ですが業務ツールの提供やオンラインでの顧客獲得支援など、コワーキングスペース側が専門家のビジネス支援を行っていることがわかります。またAlmaは専門家だけではなく、患者に対しても適切なセラピストとのマッチングという形で付加価値を提供できます。

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一般的な町のクリニックでは患者は医師の選択肢はなく、マッチング精度という点では低いかもしれません。しかし専門家のコミュニティを持っていることで、豊富な専門家の中から最適なセラピストに出会える可能性が高まるのもこういったスペースの利点です。

特色のあるコミュニティとしてのコワーキングスペースではWeWorkのような強烈なスケールは望めないかもしれませんが、ネットワーク外部性が働きやすく、ビジネスとしての拡張性も感じられます。(執筆:矢部立也

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