ピックアップ:B2B Healthcare Software Startup TimeDoc Health Raises $2.5M
ニュースサマリ:医師向けに慢性疾患のケアの支援をするスタートアップTimeDoc Healthは8月7日、250万ドルの資金調達を公表した。同社にとって2回目の資金調達でGrand Venturesがリードインベスターを務めた。
同社は2015年設立。シカゴに拠点を置くスタートアップで、医療機関向けに慢性疾患の患者を月単位で遠隔地ケアをすることを可能にするソリューションを開発している。医師は慢性疾患患者のケアに必要なタスクの管理や文書のやりとり、プランニングまであらゆる業務をオンライン・プラットフォーム上で実行できる。また希望に応じてケアマネージャーを設置し、患者のケアに活用することができる。既に30以上の州の医療機関で利用されており、2万人の患者のケアを手がけた実績を持つ。
話題のポイント:医療情報の電子化はかなり進んでいて、EHR(電子健康記録)を用いて医療サービスをデータドリブンに、パーソナライズしていく流れがあります。米国ではEHRを消費者向けのアプリに接続するPHR(Personal Health Record)も、フィットネスやダイエットの分野で活用されています。
こうした流れの中、電子化の次のステップとして注目されているのが患者とのコミュニケーション活性化です。
患者のエンゲージメントを改善する考え方で、EHRとCRMを接続し、成果を出しているケースにPatientPingがあります。これは病院間連携のソフトウェアで、患者が受けているケアに関する情報を異なる病院や医師の間でリアルタイムで共有することができるというものです。
患者との接点は診察や入院時に限らず、在宅の時や他の病院にいる時も発生します。電子化の次のステップとして、こうした様々な接点全体のUXを改善し、患者とのエンゲージメントを高めるというのはサービス設計としてごく自然な流れなのでしょう。
今回挙げたTimeDoc Healthのように、慢性疾患に特化したような個別の診療を支援するソフトウェアも分野ごとに出てきていますから、患者情報を起点にした医療体験については今後、より細分化・個人最適が進んでいくものと予想されます。(執筆:矢部立也)
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