
中国の E コマース大手 Alibaba(阿里巴巴)は、香港市場へ2度目の株式公開を実施し、約130億米ドルを調達しようとしていると、この件に詳しい人物が13日、TechNode(動点科技)に語った。
重要視すべき理由:同社が長期にわたり待ち望んでいた2度目の株式公開は、実施されれば発行株式数で今年世界最大のものとなり、香港市場にとっては2010年以来最大のものとなる。
- 株式公開がなされれば、Alibaba の株式が Alibaba ユーザである中国人投資家にも購入可能となる。
- ニューヨークと香港の両市場で公開されれば、Alibaba 株式が1日24時間取引が可能となり、投資家の感触をリアルタイムで反映することとなる。
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詳細情報:米国証券取引委員会に提出された目論見書によれば、Alibaba は香港市場上場により5億株を新たに発行・供給する模様。
- 情報筋によれば、この株式公開にはグリーンオプションが含まれ、引受会社は公開から数日間、発行者から株式15%を提示価格で購入できる。グリーンシューオプションが行使された場合、この株式公開により既存の普通株式持分が2.8%希薄化される。
- Alibaba の株価は現在1株当たり約186香港ドルで推移しており、これに基づけば、株式公開で約130億米ドル(約1兆4,100億円)を調達することになる。
- Alibaba は11月20日に公開価格を設定したいとしている。(編注:21日の新華社電は、Alibaba が公開価格を1株当たり176香港ドルに設定したと伝えた。これによれば調達金額は880億香港ドルで、日本円換算で約1兆2,200億円となる。本稿タイトルには、この金額を反映した。)
- South China Morning Post によれば、Alibaba は12日香港証券取引所から上場承認を得て、13日から1週間に及ぶロードショーを開始するという。
背景:Alibaba の B2B 事業会社はかつて2007年に香港市場のメインボードに上場したが、2012年に上場廃止となった。
- Alibaba が2013年に再上場を準備していた際には、Alibaba はデュアル・クラス・ストック(クラス A とクラス B の二種類の株式を発行する仕組み)で公開するため、香港証取よりもニューヨーク証取も選んだ。一方で、創業者の Jack Ma(馬雲)氏はさまざまな公式の機会に、香港市場上場の可能性を残していると話していた。
- 香港証取は、2018年4月からデュアル・クラス・ストックによる上場の許可を始めた。これにより、上場したテック企業は異なる議決権を設定した二種類の株式を持てるようになった。
- Alibaba は先頃、普通株式を1対8の割合で分割する株主承認を得た。同社の自己持分は40億株から320億株に増加することになる。
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