法律文書向け編集・管理SaaS「LAWGUE(ローグ)」運営のJLSI、シードラウンドでVCなど5社から8,000万円を資金調達

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日本法務システム研究所(JLSI)のメンバー。中央が代表の堀口圭氏。
Image credit: JLSI

法律文書向け編集・管理SaaS「LAWGUE(ローグ)」を開発・運営する日本法務システム研究所(JLSI)は18日、シードラウンドで8,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、マネックスベンチャーズ、UB Ventures、フューチャーベンチャーキャピタル、KVP、弁護士ドットコム。同社にとっては初の外部資金調達となる(弁護士ドットコムは今年7月に JLSI への出資を公表済)。

JLSI は、東京大学法学部在学時の2015年に司法試験最年少合格の記録を持つ弁護士の堀口圭氏により2018年4月に設立。契約書をはじめとする法律文書を組み替えで簡単に作成する「COMMONS PAL」を昨年ローンチ。これを進化させ、編集機能や管理機能を充実させたのが、今年5月にクローズドβローンチした「LAWGUE」だ。現在50社ほどが試用している。

契約書などの法律文書は、法律事務所であれ企業の担当部署であれ、一から新しいものをスクラッチで書き起こすということは珍しく、他の契約書や関連文書などから引用し、それらを編集して作成することが多い。この一連の操作を可能な限り効率化しようというのが LAWGUE のアプローチだ。

LAWGUE
Image credit: JLSI

自社内の法律文書の検索はもちろん、参照許可を得ていれば、他社の法律文書から関連条文を検索し取得することも可能。条項単位で編集・管理ができるのが最大の特徴であり、そのための web ベースのエディタを LAWGUE は備えている。契約書の作成過程においては、双方の担当者間で複数回にわたる加筆修正が続き、これをクラウド型のエディタを使うにせよ、ファイルでやり取りにするにせよ、版管理は非常に煩雑なものとなるが、LAWGUE では関係者に参加させることで、その家庭や履歴を複数名で共有しながら追うことも容易だ。

私が法律事務所に入った時の最初の案件では、ファンドの組成に関連して契約書の作成を支援していたが、この時、クライアントに対して事務所が求められる役割は、どの条項がどこにあるかというような、ある種のデータベース機能になってきていた。(中略)

そこで、クライアント自ら検索できるような仕組みを考えた。今までは文書単位でしか管理できなかったが、LAWGUE を使えば、条項単位で法律文書を管理できる。(堀口氏)

堀口氏によれば、彼の知る限り、法律文書に特化して、データベースの検索性とエディタの編集機能性を兼ね備えたソリューションは、他には存在しないだろうとのことだ。現在の LAWGUE のユーザは、法律事務所や企業の法務部などよりもむしろ、実は企業の事業部や経営企画部、官公庁、自治体などが多いのだとか。LAWGUE の提供する検索性と編集機能性により、法律文書の作成業務が現場に下りてくることが可能になったと見ることもできる。

JLSI では今後、LAWGUE で作成した文書を認証できるようクラウドサインや DocuSign との連携、条項の抜け漏れの指摘機能、法律文書の条項単位での事例マーケットプレイスの開設など、派生するサービスや機能を拡大していきたい考え。将来的には、人工知能を活用した法律文書の自動作成機能の実装も視野に入れる。

同社では今回調達した資金を使って、エンジニアの採用、カスタマーサクセス担当の充実を図るとしている。