VISAが米国で急成長する銀行APIユニコーン「Plaid」を53億ドルで買収

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Image Credi : VISA

ピックアップVisa is acquiring Plaid for $5.3 billion, 2x its final private valuation

ニュースサマリー:フィンテック企業が米国銀行APIを利用できるようになるサービス「Plaid」を国際カードブランド「VISA」が買収する。1月13日にVISAが明らかにしたもので買収額は53億ドル。2018年12月に実施されたシリーズCラウンドにおける評価額の約2倍とされている。

Plaidは開発者がユーザーの銀行口座情報を取得・更新することを簡易化するAPIを提供する。Plaidを利用したサービスは、API経由で米国の銀行口座情報から取引・ID・認証・残高・保有資産などの情報へアクセス可能になる。同社は米国中の銀行とフィンテック事業者を繋ぐインターフェイスとしての役割を担っている。

たとえば、送金・決済分野では「Venmo」「TransferWise」、投資分野では「Robinhood」「Acorns」「 Betterment」、他にも暗号通貨取引所「Coinbase」やモバイル銀行「Chime」などの欧米の著名フィンテック・サービスらがPlaidのAPIを活用している。

本買収に関するVISAの公開記事によれば、米国の4分の1の銀行口座が、これまでPlaidのAPIを通し、2,600以上のフィンテック・サービス、1万1,000を超える金融機関に接続されているという。以下の画像を見ると、上記の関係性が分かりやすく把握できる。

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Image Credit : VISA

最近ではカナダや欧州圏にも進出しており、今後VISAと共にグローバルな拡大を進めていく見通しだ。本買収に関し、VISA CEOのAl Kellyは以下のようにコメントしている。

Plaidは最高の機能性を軸に急速に成長しているフィンテック業界のリーダー的存在です。 Plaidの存在は、VISAのプロジェクト・戦略と相交わることで、開発者や金融機関、消費者により多くの恩恵をもたらすでしょう。

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Image Credit : Plaid

話題のポイント:Plaid同様にVISAも金融機関・フィンテック企業向けにバックエンドからサービスを支える存在であり、両者のビジネスには親和性が高いと考えられます。実際、VISAは買収理由として「新規マーケット参入」「フィンテック事業の本格的刷新」「決済インフラ・サービス共同構築」の3つを挙げています。

たしかに本買収はVISAにとって新規マーケットへの参入、なかでもフィンテック領域への進出を強め、デジタル化経済における国際的決済インフラの地位を確立するための力強い一歩になったことでしょう。

そして注目ポイントは両社の技術を活かし共同で提供されるサービスです。フィンテック業界におけるこれまでのVISAとPlaidの立ち位置は近く、どちらも決済インフラとしての役割を担う立場にありました。

VISAは今後、Plaidの決済処理やアカウント認証機能を搭載した決済インフラの提供を進めていく予定です。これによりP2P及びB2C領域の応用例を増加させる見込みの他、よりグローバルなネットワークを構築できるとしています。また、PlaidはVISAにとって、セキュリティ向上やディスピュートプロセス(不正請求への対応)におけるソリューション強化にも繋がるといいます。

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Image Credit : VISA

買収は3〜6ヶ月以内に実行に移される予定で、現在両社は法的な承認に向け動いているとのこと。VISAは言わずと知れた国際的な決済インフラですが、Plaidを取り込むことで、さらなるグローバル化を進めていくことになりそうです。