2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(教育編まとめ)

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Image Credit : Pixabay

ピックアップ:The a16z Marketplace 100

2月18日に米国大手VCであるAndreessen Horowitz(a16z)は「The a16z Marketplace 100」と題した、急速に成長を遂げる100のコンシューマー向けプラットフォームの分析ブログを公開しました。

<参考記事>

本記事では上記ブログで紹介されていた100個中10社のエドテック(教育×テクノロジー)・マーケットプレイスにフォーカスして解説します。

まず、前提として以下グラフを見ていただければ分かる通り、Education領域のマーケット・プレイスの成長速度は、全領域と比較しても低いです。

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しかし米国の学費高騰問題や、動画通信を中心としたインターネット・インフラの安定化によって、エドテック市場全体は成長し続けており、また多種多様なサービスが存在している点が魅力的なポイントです。ではいきます。

1:Course Hero(学習コンテンツ・シェアプラットフォーム)

創業:2006年
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Great Oaks Venture Capital, SV Capitalなど
累計調達額:2,740万ドル
シリーズ:B

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Image Credit : Course Hero

Course Heroは、大学の授業ドキュメントや市販教材、ノートメモ、動画などの良質な学習コンテンツのシェアや、学習に関して24時間/7日いつでも質問・相談可能なチュータリング・サービスなどを提供するエドテック・プラットフォーム。

学習者は、サブスクリプション課金あるいは上記例の中から、自ら学習コンテンツをアップデート・シェアすることで、さらに多くのドキュメントにアクセスできるようになる。米国中の大学の学習教材が閲覧可能で、推計では、現時点で2,500万件を超える学習コースのドキュメントがアップロードされているという。

2:Coursera(MOOCs)

創業:2012
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Kleiner Perkins, New Enterprise Assosiate, 世界銀行など
累計調達額:3億1,300万ドル
シリーズ:E

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Image Credit : Coursera

Couseraは、教育業界では言わずと知れたオンライン講義プラットフォームで、世界中の有名大学の授業のほとんどを無料で提供している。MOOCs(Massive Open Online Course)と呼ばれ、edXなどと肩を並べ有名な大規模学習オンライン・サイトである。

ビジネスモデルとしては、営利企業であるにも関わらず利益を最優先事項に掲げておらず、数少ない収益と、ベンチャー・キャピタルによる投資資金、そして参加大学らの負担によって運営されている。

登録者数は世界185か国以上から累計37万人を超える規模となっており、日本からは東京大学も授業を提供している。

3:MASTERCLASS(専門家によるオンライン学習プラットフォーム)

創業:2012
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Harrison Metal, Bloomberg Betaなど
累計調達額:1億3,640万ドル
シリーズ:D

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Image Credit : MASTERCLASS

MasterClassでは、特定の職業で著名な専門家が、一般大衆向けに専門知識を提供するオンライン・プラットフォーム。年会費180ドルで、ウェブサイトやモバイルアプリにて全ての講座にアクセスすることができる。又は90ドルで1回限り1つの講座もある。

同社プラットフォームが、本記事で後ほど紹介することになるUdemyやCoursseraと異なるのは、資格取得よりも、技術・能力を洗練させること、その分野における一流の人からヒントやコツを学ぶことに重点を置いている点である。

4:Udemy(オンライン学習プラットフォーム)

創業:2010
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Naval Ravikant, Benesse, 500 Startupなど
累計調達額:2億2,300万ドル
シリーズ:E

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Image Credit : Udemy

Udemyも、エドテック業界では既にかなり有名なオンライン・学習プラットフォーム。個人講師が自作した10万以上のオンライン授業を低価格かつ自由な時間に受講可能で、世界中に4,000万人以上の受講生を抱えていると言われている。

プログラミング・コンテンツが特に人気ではあるが、その他にもビジネスやデザイン、語学、自己啓発、フィットネス・音楽など、アクセス可能な学習科目は多岐にわたる。5万人以上存在する個人講師らは、自作した動画授業・教材を提供し、その対価として収入を得ることができる。

MOOCsに括られることもあるが、CouseraやedXと異なり、Udemyはより短いコンパクトなコースを多数配置していることが特徴である。また、同社は2020年2月に日本市場におけるパートナー企業であったベネッセコーポレーションから5,000万ドルを調達した。

5:SKILLSHARE(クリエイティブ特化オンライン学習プラットフォーム)

創業:2010
拠点:ニューヨーク
主な投資家:USV, Spark Capitalなど
累計調達額:1,900万ドル
シリーズ:C

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Image Credit : SKILLSHARE

SKILLSHAREは、クリエイティブ・スキルのオンライン学習プラットフォーム。言うなれば、Udemyのクリエイティブ・スキル版で、アニメーションやデザイン、カメラ・映画、ライティングなどを中心とした技能のシェアに特化したプラットフォームである。

2018年の調達時で既に、同プラットフォームでは6万人の専門家による2万を超えるレッスンが提供されており、それに対して計約500万人のユーザーが入会していたという。

ビジネスモデルはサブスクリプション制を採用しており、月額8ドルで、登録者はより高評価な講師の授業を含む、無数の授業全てにアクセスすることができ、またダウンロード機能なども利用することができる。

6:Varsity Tutors(家庭教師プラットフォーム)

創業:2007
拠点:米国中西部
主な投資家:TCV, Chan Zuckerberg Initiativeなど
累計調達額:1億700万ドル
シリーズ:C

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Image Credit : Varsity Tutors

Varsity Tutorsは、学習者に対し最適な家庭教師を紹介・マッチングするオンライン・プラットフォーム。授業はオンライン又は対面で実施され、後者の場合は、ドキュメントのシェアやテキストメッセージ、ホワイトボード機能など、多様なツールを活用し授業が行われる。

同社ウェブサイトによれば、選択可能な科目は2,500以上、チューターの数は4万人、顧客満足度は4.9/5.0。次に紹介するWyzantと類似したプラットフォームだが、Varsityの特徴はチューターの選考がより厳しく行われ、選りすぐりの講師を揃えている点にある。

また同社は、Varsity Learning Toolsという補完サービスも提供していて、これはVarsityプラットホームを利用している学生に無料で提供される学習教材で、予習や復習のための補助教材として利用される。

7:wyzant(オンライン家庭教師プラットフォーム)

創業:2005
拠点:シカゴ
主な投資家:Accel
累計調達額:2,100万ドル
シリーズ:A

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Image Credit : wyzant

Wyzantは、オンラインかつ1対1のライブ授業を受けられるプラットフォームで、アルバイトの大学生や副業の社会人、フルタイムのプロ・チューターなど、計8万人を超える家庭教師らが個人事業主として登録している。

同プラットフォーム上で学習者がアクセスできるコースの数は300以上とされており、また2015年までの時点で累計100万件以上のレッスンが行われている。また米国の大学に対してもサービスを展開しており、ハーバード大学やスタンフォード大学、アリゾナ州立大学などの学生らにも授業を提供している。

8:takelessons(オンライン家庭教師プラットフォーム)

創業:2006
拠点:サンディエゴ
主な投資家:Crosslink Capital, Steven Coxなど
累計調達額:1,900万ドル
シリーズ:C

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Image Credit : takelesons

takelessonsは、趣味や語学、勉学などの学習に関して、講師と生徒をマッチングするチュータリング・プラットフォーム。個人講師らは同サイトを通し、事業のマネジメント、マーケティング、決済などを外注orサポートできるツールを利用可能。

先述のwyzantsやvarsity tutorsと類似するサービスではあるが、異なる点としては、takelessonsはよりカジュアルな学習機会を創出する場である点。音楽分野からスタートしたこともあり、学校の代替や学業の補填というよりかは、エンターテインメントや趣味などの科目が多めに提供されている。

9:Outshcool(子供向けオンライン家庭教師プラットフォーム)

創業:2015
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:FundersClub, Y combinatorなど
累計調達額:1,000万ドル
シリーズ:A

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Image Credit : Outschool

Outschoolは、3歳から18歳までの子供と、オンデマンド・ライブ授業を提供する個人家庭教師をマッチングするオンライン・学習プラットフォーム。開講されているクラスの数は1万を超え、子供一人一人に最適かつインタラクティブな学習機会を提供する。

クラスは必ずしも1対1だけではなく、他の学生と同時に受けられる授業も存在し、その方がより低価格(最安で5ドルなど)で授業を取得することができる。人気科目はアートや語学、テック系(プログラミングやデザイン)。

米国は今、”ホームスクール”という、子供を学校に通わせずに家で教育するスタイルが流行しており、そんな家庭にとっては、子供の興味・関心や学習スタイルに沿って、最適なエキスパートの教育を受けさせることができるOutschoolは魅力的に映るだろう。

10:Verbling(言語特化オンライン授業プラットフォーム)

創業:2011
拠点:サンフランシスコ
主な投資家:Learn Capital, Y combinatorなど
累計調達額:100万ドル
シリーズ:言語学習アプリ「Busuu」により買収済み

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Image Credit : Verbling 

Verblingは語学学習者とネイティブ講師をマッチングするオンライン・プラットフォーム。レッスンはGoogleハンズアウトを通して実施される。授業はグループレッスンの場合、一回(1時間)3ドルで、サブスクリプションの場合月額19ドルで10回のレッスンをとることが出来る。

特筆すべき要素として、ユーザーはお金を払わずとも、発言はできないが、レッスンを視聴することはできるという点。つまりスピーキングの練習としてネイティブ講師と会話することはできないが、他の生徒と講師の会話をタダで視聴することが出来る。これは単にリスニングの練習にもなるし、講師選びの役に立つという二つのメリットがある。

なお、つい1ヶ月前の2020年1月半ば、同社は言語学習アプリを提供するBussu社によって買収されている。