養殖盛んなインドネシアで成長するスマート漁業

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eFishery
Image Credit : eFisheryウェブサイト

ピックアップ:Agritech startup eFishery bags Series B funding led by Go-Ventures and Northstar

ニュースサマリー:インドネシア発のスマート漁業スタートアップeFisheryは先月13日、シリーズBにおける資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGo-VenturesとNorthstar Groupが参加している。調達額は非公開で、国内グロースを目的に製品開発の強化や人材育成を進める。Go-Venturesは、Gojekが運営するベンチャーキャピタル。既存投資家のディープテック領域を投資対象とするVC、Wavemaker Partnersと養殖投資ファンドのAqua-Sparkも参加している。

同社はクラウドベースの自動給餌機の販売を中心に、インドネシアの養殖業者を対象としたエンドツーエンドのオンラインプラットフォームを提供している。

詳細情報:eFisheryは2013年に創業したインドネシアのバンドンを拠点とするスタートアップ。魚やエビの養殖業者を対象に、スマホから操作可能な自動給餌機の販売・サポートを提供し、飼料の調達や、魚の販売、設備投資のための融資などのサービスを利用できるオンラインプラットフォームを提供している。

  • eFisheryはこれまで2015年にシードラウンドで120万ドル、2018年後半にシリーズAラウンドで400万ドルの資金調達を実施している。事業規模はその間に4倍となり、過去2年間はEBITDAが黒字となるなど、順調に成長を続けていることが伺える。

eFisheryが現在提供するサービスは主に4つだ。

  • eFisheryFeeder (for Fish):スマートフォンからスケジュールの設定やモニタリングを行える自動給餌機。餌を撒く水深や餌を水中に撒く際のパワーなどもの設定可能
  • eFisheryFeeder (for Shrimp):エビの給餌に特化したeFisheryFeeder(設定項目や設定可能な値の範囲などが異なる)で、提供するサービスはeFisheryFeeder(for Fish)と同様
  • eFisheryFund:養殖業者向けに設計された金融サービスで、設備投資のための融資や、eFisheryが販売する製品の購入支援、支払いの後払いなどに対応
  • eFisheryFresh:養殖業者が商品を販売するためのオンラインプラットフォームで、toB toC いずれにも対応

同社プロダクトは、インドネシア全土34州中24州、180以上の都市で10,000を超える養殖場で既に利用されている実績を持つ。同社の最も効果的な販売チャネルは現地へ赴いての対面による営業であることや、養殖業界全体のサプライチェーン構築を目指していることなどから、下記のような取り組みも積極的に行っている。

  • 各地域のハブとなる施設の建設:eFishery製品や餌の販売、製品のトレーニングやデモ、修理などワンストップでサービス提供する各地域のハブとなる施設を建設。現在インドネシア全土に30箇所のハブがあり、2020年末までに新たに100箇所のハブを建設予定
  • デジタル漁村の建設:2018年末頃より、インドネシア政府や現地通信会社Telkomselなどと提携、デジタル漁村を建設するプロジェクトを西ジャワ州、南ランプン県で展開、今後も継続的にデジタル漁村の建設を進める。
  • 事業拡大に向け、既に同社の製品及びサービスのパイロット試験がバングラデシュ、タイ、ベトナムで行われている。同社の共同創設者兼CEOのHuzaifah氏はインドネシア国内での事業規模を10倍にする目標を掲げている。

背景:インドネシアの養殖業は年間総生産量が世界4位となる重要な産業で、国内には330万の養殖場がある。インドネシアで初のスマート漁業スタートアップとなった同社は、養殖を通じ世界の食糧不足問題の解決、業界内の根本的な問題に対処するための解決策の提供、包括的なデジタル経済を通じ、社会的および経済的不平等を減らすための技術を提供、という3つのミッションを掲げている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志