未来のスーパー「Amazon Fresh」:Dash Cartは便利だけど…(3/5)

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Image Credit: Jeremy Horwitz/VentureBeat

Dash Cartの利便性

(前回からのつづき)色々と紹介してきたが、やはりAmazon Freshの最大の特徴はセンサーとスマートフォン技術を掛け合わせ、レジの概念を取り払ったDash Cartだろう。もちろん、Amazon FreshではDash Cartを利用する必要はなく、かつ現在であればDash Cartを利用するためには行列に並ぶ必要がある。

Dash Cartを手にすると、まずは3分間のチュートリアル説明が店員より実施される。チュートリアルでは、QRコードを使ってAmazon AppとDash Cartをリンクさせることから始まり、Dash Cartに付属する紙袋に商品を入れスキャンしたり、カートのスクリーンへ4桁の番号を入力することで生鮮食品を追加するインストラクションがある。

このステップを踏むことで、Dash Cartに付属するカメラが利用者の行動を追跡し、レジを通ることなくチェックアウトすることが可能となる。代金は利用者のAmazonアカウントに自動的に請求され、これはAmazonが数年前から実施しているAmazon Goと同じコンセプトであることが分かる。

Dash Cartはまだまだ改善点が多く残されているものの、例えばカメラとソフトウェアの機能は充分に機能していた。カートの袋へ商品を入れると、正確に商品を認識し、取り除くと自動的に商品をリストから外してくれる。また、タッチスクリーンも十分に機能しており、それに応じたカートの計量器も速くはないものの問題なく機能していた。

Image Credit: Jeremy Horwitz/VentureBeat

しかし、Dash Cartには解決すべき幾つかの制限を抱えているのも確かだ。まず、そもそもDash Cartの袋は2つに制限されているので、購入できる商品の数自体が絞られてしまうのだ。現状、追加で袋を入れることはできず、これはカートに付属するカメラが商品を追えなくなることを防ぐためだ。

また、AmazonはDash Cartの破損や盗難を懸念し、店舗を離れるタイミングで利用者のDash Cartと普通のカートを交換している。これは、非常にDash Cartそのものの実用性を下げていると言わざるを得ないだろう。

また、今回Dash Cartを利用していて実際にあった体験として、途中でバッグの一つが破損してしまい交換が必要になった。そのため、カート内蔵のカメラがスキャンに対してエラーを起こし、結局レジに並んで再びスキャンするはめになったのだ。スタッフによれば今回のような問題は度々発生しているとのことだった。

Image Credit: Jeremy Horwitz/VentureBeat

他には、青果物を追加する際の4桁のPLUコードの入力方法や、計量の仕方を理解するのに時間を要している様子が店内各所で見受けられた。Dash Cart利用者は道を大きく使うため、立ち止まっているとDash Cart利用者以外にとって物理的に邪魔になっているのは明らかだった。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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