GoogleのOS設計プロジェクト「Fuchsia」、一般開発者のコントリビューションを開始

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Googleは同社のオープンソースプロジェクト「Fuchsia」の一般開発者によるコントリビューションを歓迎すると発表した。具体的には、プロジェクト議論のためのパブリックメーリングリスト、戦略的意思決定を目的としたガバナンスモデルの設計、テクニカルロードマップの公開、イシュートラッカーの追加、またコミッターになるためのプロセス概要を公開している。

Fuchsiaは2016年8月にGithub上で公開された、OS設計に目的が置かれた長期的なプロジェクトだ。GoogleはFuchsiaについて今まであまり触れておらず、わざわざ発表するようなことも特になかった。GoogleはFuchsiaがプロダクション・開発対象としては引き続き準備中であることを強調したが、現在では誰でもFuchsiaのクローンやコンパイル、コントリビューションを行うことができる。Fuchsiaでは、x64ベースのハードウェアのみを対象とし、エミュレーターを利用してテスティングも可能だ。

Googleはまた「Fuchsiaはセキュリティー、アップデート体制、パフォーマンスを最優先に設計されている」ことに触れ、より簡単に新しいプロダクトや体験を作ることができるようになるとOSの可能性について語っている。テクニカルロードマップにおける注目点は、ドライバーとは独立した状態でカーネルを更新するためのフレームワーク、パフォーマンス向上に特化したファイルシステム、アクセシビリティーのためのインプットパイプラインの拡張などが挙げられる。

FuchsiaがAndroidやChrome OS、その他スマートホームハードウェアに取って代わるのではないかとの憶測が常に議論されている。しかし、筆者が過去に述べてきたように、Fuchsiaはあくまで実験的プロジェクトであり、GoogleはFuchsiaを断片的に利用していくこととなると予想している。具体的には、FuchsiaのコードであったりデザインコンセプトやUIであるが、最も重要なのはゼロからオペレーティングシステムを構築したという経験であるのは間違いない。

最終的な用途がどうなるにしろ、まずはソースコードをじっくり眺めてみるところから始めてみよう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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