シンガポールの中央銀行、3グループにデジタル銀行免許を付与——Grab-Singtel陣営ほか、2022年初頭に事業開始へ

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シンガポールの中央銀行に相当する通貨金融庁(MAS)は、Sea と Grab-Singtel 陣営の2つの申請者に新たなデジタルフルバンクライセンスを付与した。一方、Ant Group(螞蟻集団)、Greenland Financial Holdings(緑地金融)、Linklogis Hong Kong(香港聯易融数字科技)、Beijing Co-operative Equity Investment Fund Management(北京中合供銷股權投資基金管理)からなるコンソーシアムには、デジタルホールセールバンク(DWB)のライセンスが付与された。

シンガポール通貨金融庁(MAS)
Image credit: Monetary Authority of Singapore

MAS は、メリットベースの厳格なプロセスを経て、強力なデジタル銀行を選定した。既存の銀行と並んで成功し、特に現在十分なサービスを受けていない企業や個人に質の高い金融サービスを提供するという点で、業界の水準を引き上げてくれることを期待している。(MAS マネージングディレクターの Ravi Menon 氏)

MAS は昨年6月、デジタルフルバンク(DFB)ライセンスを最大2件、デジタルホールセールバンク(DWB)ライセンスを最大3件発行すると発表した。声明によると、対象となる申請者は合計14件あったという。

この発表の直後、Grab-Singtel コンソーシアムは Charles Wong 氏をデジタル銀行の CEO に任命し、2021年末までに200人の従業員を配置すると発表した。このチームには、プロダクト、データ、テクノロジー、リスク、ファイナンス、コンプライアンスなどの役割が含まれる。

Wong 氏はシティグループで20年以上の経験を持つベテランで、前職ではシンガポールのリテールバンキングの責任者として5年近くを過ごした。また、シティグループでは、戦略、グローバルマーケット、ウェルスマネジメント、バンカシュアランス、融資、商品開発、マーケティングの各部門を担当していた。

我々は、銀行業務をよりアクセスしやすく、直感的なものにするための資産とシナジーを持っており、消費者や企業が必要としている商品のシンプルさ、スピード、手頃な価格を実現する。(Singtel グループ 次期 CEO Yuen Kuan Moon 氏)

また、Grab のグループ CEO 兼共同創業者 Anthony Tan 氏は、デジタル銀行は「より多くの人々が自分のお金をより良く管理し、自分自身や企業、家族のためにより良い経済的成果を達成するために力を与える」という彼らの目標をさらに推し進めると述べている。

MAS は、これらの新しいデジタル銀行が2022年初頭に業務を開始すると予想している。これらの銀行は、個人顧客に口座開設や預金、デビットカードやクレジットカードの申請などのサービスを提供する。ただし、これらの銀行は物理的な存在を持たず、すべての取引はオンラインで行われる。

一方、最終選考に残らなかった企業の一つである Razer Fintech は、マレーシアやフィリピンなどの市場で Razer Youth Bank を展開する計画で、デジタル銀行の申請プロセスが近いうちに開始されることが期待されていると述べている。また、ヨーロッパ、中東、ラテンアメリカなど、規制当局が銀行部門のイノベーションを同様に支持している他の地域も視野に入れていると付け加えている。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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