ホログラフィックディスプレイメーカーのLooking Glass Factory社は10月に、3Dモニター事業に参入するソニーをブログ記事で歓迎した。これはまるでAppleがかつてIBMに対してやった広告みたいなものだったが、これで同社はソニーというゴリアテに対する自らの革新的なダビデのポジショニングを狙ったのだと思う。
ただ、Looking Glassの3,000ドルのモニターとソニーの5,000ドルの空間現実感ディスプレイは、どちらも企業向けの製品であることを考えると、いずれの企業もまだ、ホログラフィック技術をすぐにメインストリームに押し上げようとしているとは思えなかった。
しかし、だ。
Looking Glass Portraitはそれを変えようというのだ。349ドルでフルカラー、毎秒60フレームのホログラフィックディスプレイは、7.9インチ対角のボックス内で3Dオブジェクトを複数の角度から見ることができるのだ。このPortraitは、PCやMacにテザリングして「重い」3Dアプリケーションを使用したり、内蔵のRaspberry Pi 4によりスタンドアロンでも3D写真やビデオプレーヤーとして利用することができる。ポータブルなデザインと1.3ポンド(約590グラム)の重さでオフィスやホームオフィス、外出先でも使用でき、グラスなしの3D映像コンテンツがどこでも見られるようになる。
Portraitは技術的な意思決定者にとって重要な意味を持つ。なぜなら、ホログラフィック3Dインターフェースは、サイエンスフィクションから「サイエンスファクト」へと急速に発展しており、Looking Glassはそういった状況下で、エンタープライズクラスのホログラフィックディスプレイの普及に注力してきたからである。
スクリーンのフォームファクターと価格が企業や消費者にとってますます魅力的になるにつれ、開発者は物理的な奥行きを伝えるためにホログラフィを使用して、これまで想像もできなかったような新しいアプリやコンテンツを作成することになるだろう。Looking Glassはこれまでの2Dモニターと貴重なデスクスペースを競うことができる、積極的な価格設定を初めて実現した。
これまでの同社のディスプレイは光沢のあるプリズムのような形をしていた。しかしPortraitの新たなデザインでは光学系を再設計したことで「周囲の反射防止性能を飛躍的に向上させる」ことに成功し、一度に45~100個の立体視を可能にした。これにより、ソニーのホログラフィックデザインの大きな限界を克服し、複数の人が同時に異なる角度からホログラフを見ることができるようになったのだ。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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