Microsoftが語るオープンソースの必要性とエンタープライズの関わり

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Microsoftはopen sourceが大好き:Image Credit: Paul Sawers / VentureBeat

Microsoftはオープンソースで多くの学びを得たとし、今となっては企業間のコラボレーションツールの一つとして多くの企業で受け入れられたモデルになっていると考えているようだ。Microsoftはソフトウェアを純粋に提供する一つの企業だったが、過去10年に渡りそのイメージを払しょくする道を歩み続けている。サティア・ナデラ氏を中心に、例えば.NETのオープンソース化、Linux Foundationopen source initiativeへの参加など「オープンソースへの全面的な姿勢」を示し続けている。 2020年も同様に、自社技術を多くオープンソース化した。同社はOpen Source Security Foundation(OSSF)をIBMやGoogleらと設立し、GoogleのOSSであるChromiumへのトップコントリビューターとして頭角を現している。 公開されたブログ記事では、Micosoftはオープンソースを業界広く受け入れることで、特にテックエンタープライズ間のコラボレーションの法整備をスピードアップさせることに繋がるという見解を示している。これはまさに、オープンソースが世界のテクノロジー企業を一つにまとめ上げる役割を担っていることを示している。MicrosoftのAzure Office of the CTOのオープンソースリードSarah Novotony氏は以下のように述べる。

「数年前まで、複数のテック企業を集めソフトウェアイニシアティブの調整や、オープンスタンダードの確立、ポリシーのすり合わせをしようとすると、数カ月に及ぶ交渉や会議、弁護士とのやり取りが必要となるケースがほとんどでした。オープンソースはこれを完全に変えたのです。新しいトレンドや何かしらの課題が出てきたときは、一緒に取り組むことが最適化に繋がるということがわかっているので、数週間もすればお互いが指針を持って集まってきます」。

同社は特にコミュニティーからフィードバックを受けることの重要性や、社員が自主性と会社の方針を守ることのできるバランスを提供する必要性について言及し、なぜ「オーバーコミュニケーション」がストレスを取り除くのに役立つかを述べている。

オープンソースとリモートワーク

ここ数年のオープンソース界を振り返ってみると、IBMがRed Hatを340億ドルで買収したことや、SalesforceがMulesoftを65億ドルで買収したことに加え、MicrosoftがGithubを75億ドルで買収したりと、エンタープライズにとってオープンソースの希少性が顕著に表れている。また、最近のテクノロジー企業の初期プロジェクトは多くがオープンソースに依存しており、またコミットも多くしている。加えて自社ツールをオープンソースライセンスで利用可能にするなどの動きも多くみられる。

世界は今年、ものすごい勢いでリモートワークに突入したが、オープンソースから多くのことを学ぶことができるとMicrosoftは語っている。オープンソースのデジタルファースト、かつリモートファーストな精神は今の変化に通じるものがあるという。

「オープンソースに長年関わってきた私たちにとっては、リモートワークは何年も前から当たり前の感覚です。オープンソースのコミュニティーは大きく、世界に分散されており、効率的なコラボレーションが求められている環境にあるのです」。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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