Magic Leapの元CEOであるRony Abovitz氏は、AIキャラクターとインタラクティブなストーリーテリングにフォーカスする新会社、「Sun and Thunder」を立ち上げた。
Abovitz氏はGamesBeatとのインタビューで、同社のことをテクノロジー、知性、アートの融合体と表現した。目標は「人工的な存在」を作ること、そして「空間コンピューティング」、すなわちAbovitz氏が前の会社、Magic Leapで作ろうとしていた複合現実体験の一種によって生み出された世界の中でストーリーを紡ぐことだ。Abovitz氏は本日(訳註:1月27日)、「GamesBeat Summit: Into the Metaberse」カンファレンスで新しいスタートアップについて「SFの未来からの手紙」と題したセッションを行う。
Sun and Thunderは空間コンピューティングを含むあらゆるメディアに取り組む予定だが、同社はMagic Leapの一部分ではなく、必ずしもひとつのプラットフォームに結び付けられているわけではないとAbovitz氏は述べた。
Magic Leapのレガシー
Magic Leapは昨年9月、エンタープライズ向けの複合現実ハードウェアおよびソフトウェアの製造へシフトするため、Microsoftの元幹部のPeggy Johnson氏を招き入れた。Abovitz氏は取締役として残るが、Magic Leapとは大きく異なるセグメントで新しいビジネスを立ち上げるのは自由だ。2018年、Magic LeapはMagic Leap Oneという複合現実ヘッドセットを発売した。
Magic Leapは巨大企業に成長し、空間コンピューティング、すなわちビジュアルハードウェアを現実に存在する場所と接続するという見通しから10億ドル以上を調達した。だがAbovitz氏の新会社は従業員数が10名未満で、しばらくは小規模のままかもしれない。Abovitz氏は、同社が夢を実現するのに15年ほどかかるとみている。
「基盤となる技術の一部を構築してクリエイティブの頂点に辿り着くまで、少なくとも15年はかかると自覚しています。これまでに学んだ教訓を思い返すと、謙虚で控えめで、開放的であることが重要です。これを正しく理解することは本当に大切です」。(Abovitz氏)
スーパーノヴァ
Abovitz氏は、同社の活動を変えるかもしれない多くの実験的な取り組みをしていると述べた。
「まずは実験的なインターフェイスとして始めることを考えています。この段階を「スーパーノヴァ」と呼んでいます」。(Abovitz氏)
同社は今年行っている実験を人々に見てもらうためのショートフィルムをいくつか発表する予定だ。だが、コンセプトの一部はSFから出てきたもののように思える。たとえば、Abovitz氏はAIキャラクターに本物の知性を持たせ、同社の業務を支援させようと考えている。
「構築中のテクノロジーは人間の知性やクリエイティビティを増幅させるものです。まさに、インテリジェンスとクリエイティビティの融合です」。(Abovitz氏)
Abovitz氏によると、プロジェクトには左脳タイプと右脳タイプの両方の人々が関わっているという。この発想は、初期のアニメスタジオや、Inklingsが開拓した神話の概念、そしてIsland Recordsなどの音楽レーベルの自由奔放でクリエイティブなスピリットから生まれた。そして「人工的な存在」を作ることも仕事のひとつだ。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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