ノーコードで現場をデジタル化、「カミナシ」がシリーズAで約11億円調達——ALL STAR SAAS FUND、Coralから

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カミナシ代表取締役の諸岡裕人氏(中央)、今回のラウンドに参加した投資家の皆さん。
Image credit: Kaminashi

現場改善プラットフォーム「カミナシ(以前は KAMINASHI)」を開発・運営するカミナシは4日、シリーズ A ラウンドで約11億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ALL STARS SAAS FUND(BEENEXT が運営するファンド)と Coral Capital など。

ALL STARS SAAS FUND と Coral Capital の両者は、共にシードラウンドに続くフォローオン出資(シードラウンドでは、それぞれ BEENEXT と 500 Startups Japan として)。なお、シードラウンドを含めて累計調達額や約12.7億円であるとのことから、2018年のシードラウンドから今回のシリーズ A ラウンドまでの間に、約1.2億円を調達していることが推定できる。

カミナシは2016年12月の設立(当時の社名はユリシーズ)。代表取締役の諸岡裕人氏の実家は航空機の機内食製造工場を営んでおり、諸岡氏のここでの体験から KAMINASHI が生まれることになった。当初は、食品工場をターゲットに、食品の安全を担保するための煩雑な帳票記録をデジタル化することを意図して開発されたが、現在ではさまざまなサービスに利用されているという。

「カミナシ」のレポート結果
Image credit: Kaminashi

当初は食品工場で通用すると思って作ったサービスだが、飲食チェーンでは HACCAP 取り始めたら記録が必要になる、病院では施設巡回の際に必要になる、といった具合に多くの現場で必要になることがわかり、(当初の Vertical SaaS)ではなく Horizontal SaaS に転じて展開してきた。

紙だと記録する行為が形骸化してしまう(例えば、結果を反映せずに○やチェックを記入敷いてしまうなど)が、カミナシだとユーザが選んだ回答に応じて、それ以降の質問を動的に変化させることができる上、間違った入力には NG を出して是正措置のマニュアルを表示することもできる。記録が3クリックで終わる上、自動的にレポート化なされるので、導入現場からは ROI を算出しやすくなった、と言われる。(諸岡氏)

以前は「食品工場の〝紙記録ゼロ〟を目指す」というタグラインだったが、現在はさまざまな現場で「ROI のみならず、教育コストなども考え、標準作業を現場の皆が対応できるようにしようよ」というメッセージで販売しているという。いわゆるノーコードツールであるためシステム部門の関与が不要となり、導入現場には3ヶ月間で7回のオンボーディング機会をカミナシから提供する。

カミナシ側ではカスタマサクセス部門で進捗状況を可視化し、その内容を導入企業の総務部門などに定期的にフィードバックしている。手厚いフォローアップが受けて、現在では、ホテル、飲食チェーン、スーパーをはじめ、サービスの正式開始から8ヶ月で14業界の70社に導入されている。月次140%で成長を続けており、これは日本のトップ SaaS に匹敵するスピード。(諸岡氏)

カミナシでは今回調達した資金を使って、生産工程に代表される、より複雑度の高い現場業務フローのデジタル化の推進、IoT センサー、AI などの最新技術との連携、他の現場向けサービスとの API 連携などを実現するとしている。