物流向け自動搬送ロボット開発のLexxPluss、インキュベイトF・SOSV・住商からシード資金を調達

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Image credit: LexxPluss

神奈川・川崎を拠点とする LexxPluss は3日、インキュベイトファンド、SOSV Investments、住友商事(東証:8053)からシードラウンドで資金調達したと発表した。同社にとっては初めての外部からの資金調達。SOSV Investments と住友商事は、ハードウェアアクセラレータ HAX の東京チャプターである HAX Tokyo を共同で運営していることで知られる。Lexx Plus は Hax Tokyo 第2期から輩出された。なお、今回シードラウンドでの調達額については明らかにされていない。

<参考文献>

阿蘓将也氏
Image credit: LexxPluss

LexxPluss は2020年、ドイツの自動車部品メーカー大手 Bosch 出身の阿蘓将也氏により創業。阿蘓氏は Bosch で自動運転開発に携わり、自動バレットパーキングシステムやコネクティッドカーの開発に従事した。LexxPluss 以外に、自動運転と強化学習に特化したオープンなモビリティ開発コミュニティ「Deep4Drive」の代表も務めている。

LexxPluss が取り組むのは、物流倉庫や製造工場向けの自動搬送ロボットだ。Amazon 倉庫の資料映像でよく目にする Kiva をはじめ世界には多くの自動搬送ロボットメーカーが存在するが、阿蘓氏によれば、日本の物流倉庫の8割ほどはロボット自動化による検討すら着手できておらず、その原因の一つは人と協調できるロボットが少ないことではないかという。

人と協調する自動搬送ロボットとは何か? 例えば、それは人が欲しいところに、ピタッと欲しいものを持ってきてくれるロボットだ。安全性や効率性も向上するため、協調性の高いロボットは、自動搬送ロボット業界における差別化要素になる。

自動搬送ロボットを開発する企業は、ロボットを開発するハードウェアデベロッパと、それを制御するソフトウェアデベロッパに役割が分かれているが、LexxPluss ではその両方を一貫して手がけている。また、自動搬送ロボットは AGV(軌道走行型)と AMR(自動走行型)に大別されるが、LexxPlus のそれは AGV と AMR のハイブリッドで、現場のあらゆるニーズに対応できるという。

Bosch での経験から、物理的な課題に対して、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみで解決できるものはなかった。メーカーの開発したロボットを買ってきて実装するだけでは、顧客のニーズに合わないことが多いこともわかった。その経験から、ソフトウェアとハードウェアを一貫して手がけることにした。

顧客の用途に合わせて必要な機能を使えるようにしているが、特に AGV ではプラスマイナス1センチ以下の誤差で制御できるようにしているのは当社独自の技術。AGV は作業を続けているとズレていってしまうことがあるが、そうならないようにオペレーションができる。(阿蘓氏)

2020年10月、「Incubate Camp 13th」でピッチする阿蘓氏
Image credit: Masaru Ikeda

ハードウェアとソフトウェアを一貫して提供することで、ビジネスモデルにも柔軟性が生まれる。LexxPluss が目指すのは、自動搬送ロボットは製造開発原価に近い形で顧客に提供し、それを制御するソフトウェアや費用対効果を分析しさらなる作業効率化を促せるクラウドの利用料などのランニングコストで収益を上げる構造だ。導入コストの平準化だけに依存しない RaaS(robot as a service)モデルとして興味深い。

SOSV が展開する HAX は深圳を拠点に、世界中からハードウェアスタートアップを招聘している。LexxPluss では今回の SOSV からの資金調達を受け、自動搬送ロボットの世界展開を視野に入れる。SOSV は HAX 以外にも、バイオ関連特化アクセラレータの IndieBio(サンフランシスコ)、上海拠点の Chinaccelerator(中国加速)、モバイル特化アクセラレータ MOX(台北)、分散型サービス及びブロックチェーン特化アクセラレータ dLab などを運営している。

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